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うちの王子に、夜な夜な異界の女が通って来る 〜だいたい俺のおかげ〜  作者: ダレモール
9章 あなたと生きていく
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エピローグ




王都の大通りに、結婚を祝う歓声が響いていた。


花びらが舞い、音楽が流れ、人々は手を振りながら祝福の声をあげている。


その中心には、レイとユラを乗せた華やかな馬車があった。

ユラが纏うドレスは、海を思わせるエメラルドグリーンで、その色はどこかレイの瞳に似ていた。




少し離れた見張り塔には、警備を見守る二人の姿。


エリオンとルシアだ。


「エリオン様、警備は異常なしです」

「お、ルシア。早いな」


エリオンは馬車から視線を外さずに答える。

ルシアも隣に立ち、同じ方向を見た。



「エリオン様の息子さん、巣立っちゃいましたねぇ」


「俺はオカンじゃない」


ルシアがくすりと笑った。


「またまた。殿下が大好きなくせに」


「……安心はした」



馬車の上では、レイとユラが並んで、幸せそうに笑いながら手を振っている。




エリオンは小さく息を吐く。


その視線の先で、レイはちゃんと自分の運命を掴み取っていた。



「……ま、だいたい俺のおかげだけどな」



ルシアは、何も言わずにただ微笑んだ。



「……エリオン様も、そろそろですね」



「何が」


「運命の人」


エリオンは少し笑う。


「俺は自分で見つける」


「そもそも、なんで自分の運命の人は見なかったんですか?」


「そんなの、つまんねーだろーが」


「意外と、ロマンチストですね」


「……馬鹿にしてる?」


「いいえ?褒めてますよ」


ルシアは少し視線を落とす。




「エリオン様の運命の人も」

「………意外と近くにいたら、いいですね」




遠くで、ひときわ大きな歓声が上がる。


レイとユラを乗せた馬車は、祝福の声に包まれながら、ゆっくりと王城へ向かって進んでいった。


エリオンは、その背中を見送りながらふっと笑う。



「……どうだかな」



空に舞った花びらが、ゆっくりと風に流れていく。




ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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