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青春リテラシー。  作者: シュレディンガーの羊
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05:わかめとラフランス




「なぁ、相澤」

「なんだよ、倉上」

「悪口というものは、センスが試されていないか?」

「・・・・・・悪趣味という言葉はお前のためにあるんだと俺は思うよ」




「頭のいい奴の洗練された悪口が羨ましい」


倉上がまた懲りずにそんなことを言った。


「洗練された悪口ってなんだよ」

「陰口を吐かれるより、正面切っていい悪口をいわれたほうがいい」

「お前の日本語の意味がわからない。わかりやすい例えを頼む」

「そうだな。確かこないだは、わかめと言われた」


わかめは味噌汁がおいしいと思う。

じゃなくて、わかめって悪口だったのか。

うん。全然、知らなかった。


「この意味がわかるか?」

「わかる気もしないし、別にわかりたくもない」

「馬鹿め、と言う意味が隠れているらしい。一瞬、悪口を言われたなんてわからなかったぞ」


いや、それはただ単に聞き間違いしただけだろう。


「その次は、ラフランスと言われた」

「・・・・・・その心は?」

「洋ナシ。つまりは用なし、だそうだ」


凝りすぎていて、さっぱりわからない。

というか、案外とひどいことを言われてないか、倉上。


「俺もひとつ考えてみた」

「別に聞きたくないし。言わなくていいし」

「相澤、お前は脳細胞を減らしたい顔しているな」


問答無用で一発頭を殴る。

思ったより随分小気味いい音がした。

倉上が微かに呻きながら頭を押さえてしゃがみ込む。

見上げてくる目が涙目みたいだけど、一体どうしたんだろうな。


「相澤、なかなかやるな」

「なんか悪い。意味はわからないけどいらっとした」

「頭殴りたい顔してるな、という意味だ。まさか、逆に殴られるとは」


うん? 殴りたい顔ってどんな顔なのかな、倉上?

というわけで、もう一発殴っておく。




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