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01:相棒ごっこ
「なぁ、相澤」
「なんだよ、倉上」
「相澤という字は、相棒に似てないか」
「……似てないだろ」
「相棒がほしい」
倉上がまた懲りずにそんなことを言った。
「運命共同体としてか、それもと盾としてどっちだよ」
「相澤、俺の相棒にならないか」
「おい。華麗にスルーするな」
盾というか、こいつは[もし俺の屍を越えてゆけ]みたいなことになっても躊躇いなく踏み越えていく気がする。
気がする。というか、確信じみている。
「でもまぁ相棒は仲間のことだから、もう当てはまるかもな」
「言っておくが、俺の審査は厳しいぞ」
「だから、なんでお前は毎回そんなに偉そうなんだよ」
「主人公なんだから当然だ」
軽く絶句。加えて目眩。
人生における誰でも主人公論を、馬鹿みたいに信じてるとは。
倉本は俺の想像以上に残念な奴かもしれない。
「なんだ相澤、言いたいことがあるなら口で言え」
「相棒なら目を見て悟りやがれ」
「目を見てわかるなんて、そんな漫画みたいなことをその年で信じているなんて、なんだ相澤、案外と馬鹿じゃないか」
その台詞そっくりそのまま返してやりたい。
というか以心伝心並に、思考レベルが同じで焦る。
「つまらん。相棒ごっこはやめだ、相澤」
そうして倉上はさわやかに笑ってみせる。
「次はライバルでどうだ?」
全力で回避行動をとった俺はたぶん正しい。




