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00:はじまりまして青春
「なぁ、相澤」
「なんだよ、倉上」
「今から青春について語らないか」
「……テスト開始五分前に何言ってんの、お前」
「相澤、青春はいつからいつまでだと思う」
倉上がまた懲りずにそんなことを言った。
「それよりお前、テストできたのかよ」
「できないものか。いや、できなかった」
「そこはできるものか、いやできなかった。だろ」
そもそも、今日は古典のテストではないし。
倉上は大して気にせずに問題用紙を小さく折り畳んでいる。
「相澤、質問に答えろ」
「青春の期間だろ? 学生、というか高校生じゃないのか」
「残念だ。青春はどうやら十代の特権ではないらしい」
わざとらしいため息が零された。
顔からにじみ出るしてやったりオーラにいらっとする。
知っているなら、俺に尋ねるなと言いたい。
「なら、正解は」
「青春期は青年期と同じだ。つまりは十四、五歳から二十四、五歳ということになるな」
「案外と長いんだな。短いから美しいってものじゃないのか」
「それは命短し恋せようんたらだろう」
いや、そこは普通に乙女だろ。
倉上は頭のよさそうな話し方をするわりに、なんだか馬鹿だ。
「ほら、わかったか。相澤、青春はまだまだこれからだ」
「お前はただ単にそれが言いたかっただけか……」
「漫画の打ち切りエンドみたいな素敵な台詞だろう?」
そう言って倉上は、紙飛行機を飛ばした。




