卒業パーティーのベルティーナ
「ようやく見つけたわ!真の黒幕!」
私の記憶力が乏しいせいで真犯人を
見つけるのに苦労したよ!!
ジュースに仕掛けられた毒魔法の痕跡から
私はやっと『ベルティーナ殺害未遂』の真犯人を
見つけ出すことができたのだ。
まさか、あの子が真犯人だったなんて
めっちゃショックだけど……!!
もう家に帰ったら
引き篭もりたいくらいだけど!!
そうは問屋がおろさないの!!
「待て!!この殺人犯!!
ハァ……おま、ちょ、足早いな!???」
どんどん遠ざかっていく
真犯人に仕方なく魔法を使うことにする。
『全ての植物よ、我が命に従い
彼の者を捕らえよ!』
「きゃぁぁぁぁっ!???」
蔦植物が彼女の動きを封じたのを見て
私はやっと息をついた、と同時に
大勢の視線に気がついた。
「ベルティーナ?」
お、お姉様……。
あ、ウィリアム様まで……。
「あ、アハハ……」
とりあえず苦笑い。
戸惑っているお姉様を見るに、
断罪は阻止できたようだ……。
良かった。
「あなた、エリシアに一体何をしているの?」
エリシアが身を捩って蔦を振り解こうとするけど
私は蔦の引き締めを強化し、
にっこり笑う。
「お姉様、私、
物語の黒幕を捕まえました!!」
「……黒幕ですって?」
「はい……!!
私の飲み物に毒が混入していたのです」
私の発言に野次馬達がどよめき
お姉様は大きく目を見開いた。
驚くお姉様かわたん♡
「……まさか、その犯人が貴女の侍女である
エリシアだと、そう言いたいの?」
「流石はお姉様。話が早くて助かります。
……その通りです」
「そんな……」
「……だって仕方ないじゃない」
エリシアの微かな呟きが耳に届いた。
「ノクタヴィアは悪役姫として生まれた。
なのに、あんたが運命をねじ曲げたのよ」
は?
コイツ、何言って……。
『世界を巻き戻せ』
?!
エリシアは毒魔法しか使えないはずなのに……。
これは、亀裂?
空間にヒビが入り斜めに広がっていく。
やめて、と言おうとするのに
口が、動かない。
息もできないのに苦しくない。
皆、止まっている。
お姉様もウィリアム様も。
逃げようとしている皆も
走る姿勢になったまま。
ヒビが世界を覆い尽くし青白い光に包まれた。




