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急募:ソロで勇者になる方法〜悪名高いソロプレイヤーだけど、プロゲーマー育成校で無双してます〜  作者: 風野唄


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012話 三つ巴の戦い、最初の犠牲者

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

面白いと思っていただけたら評価やコメントお待ちしております!

「君、クラス内だと強い方かも知れないけど、僕から言わせてもらえばまぁまぁだね。しかしながら、スキルを安易に使わないのは褒めるべき点かな」


 アツトの振るった剣を半歩後退して躱す。

空振りとなった攻撃は、大木から零れ落ちた葉っぱ一枚を見事真っ二つに切り裂いた。


 あの黒男が、ギリギリで躱したのは恐らく挑発の意味合いが強い。

アツトの性格を一瞬で読み取り揺さぶる、心理戦を得意とするタイプ。

戦い方が俺と似ているな。

頼まれてもないアドバイスを勝手にしてしまうところまでそっくりだ。


「悪いけどなぁ、俺は人のアドバイス聞かない主義なんだよ」

「それは残念だね」


 アツトがすぐさま身を引く。

背後に隠れていたスズヤとヒメの追撃。

何度も練習したとしか思えない完璧なタイミング。

その身一つで避けるのは不可能な数が、黒男に襲い掛かる。


 俺があの場にいたら、どうやって回避するのかイメージしてみた。

やはり、前衛職御用達のブリンク系スキルが一般的か。

バリアを発動したとしても、最初のパーティーのように数秒と持たず割れるのがオチだ。

馬鹿正直に真正面から受けるのは得策とは思えない。


 全く動かない黒男。

諦めた……というよりは、この状況でも負けないという自信に満ち溢れた表情をしていた。


「「『バリア』」」


 白スキンの彼女と同時にバリアを発動。

半透明の円が二枚重なり合う。

これが自信の正体だったと言う訳か。

バリアを二重に展開すれば、確かに硬度は増して大半の攻撃は一度くらいなら防ぎ切れる。

タイミングを合わせなければならない点を除けば、有用な防衛手段。


 あの量の攻撃もきちんと防いだが、最後の一発を防いだところで砕け散った。

俺の推測が正しければ、銃使いに転向したヒメのスキル構成の中には火力補正が含まれているな。

だから、ここまでギリギリの攻防になったのだろう。


「ここからは俺も混ぜてもらうか」


 見たいものは大体見れたし、クラスメイトの力量も何となく理解した。

これ以上、じっと観察する必要はない。

目の前の五人を倒して、圧倒的なキル数を稼いで優勝する。

その方がクラスメイトに俺の実力を示せて良い。


 さっき倒した銃使いの女から拳銃を奪い取り、ゆっくりと歩き出す。

たったそれだけの行動でも、五人は警戒を強めた。

注目を集めると動きづらいけれど、利点も存在する。

相手が後手、後手で立ち回るしかなくなることだ。


「まずはだーれーにしーよーおかなー」


 五人を順番に指していき、擬似的にルーレットを再現する。

正確に言えば、文字数が決まっているので、最初に指を指した時点で誰になるか決まっていて、ランダム性の欠片もない。

まぁ、そんなことを考えて、逆算して選ぶことをするくらいならこんなルーレットには頼らないけど。


 指が止まったのは、ヒメを指したタイミングだった。

俺はスピリチュアルなタイプではないけれど、神が決めたのであれば仕方ない。

宣言通り、仕留める。


「ヒメ、狙われてるぞ! 気を付けろ!」

「フェイクの可能性も考慮しよう!」

「馬鹿言うな! あんな真正面から突っ込んでフェイクな訳あるかよ!」


 アツトは白黒カップルの邪魔が入り、援護には来られない。

前衛が居ないうちに一気に攻め込む。

アツトの代わりにスズヤがスキルを連発して牽制。

闇雲に放たれた水魔法は確かに行く手を阻んでいるが、忘れてはいけないことがある。


 一秒間の急停止。ヒメの真正面にワープ。

これで簡単にキルが出来ると思っていた。


「飛んで火に入る夏の虫とは、まさにこのことってね!」


 上がり切った口角と揺れる前髪から時折見える目。

ヒメの手には散弾銃が握られている。

スズヤの魔法が目隠しとなって、直前まで使っていた銃が変わっていることに気付かなかった。

たった一日で彼らの評価をガラッと変えなければいけなくなるとは。

素直に褒め称えよう。


「ごめんね! こっちも本気だからさ!」


 引き金が引かれ、広範囲に弾が拡散される。


「『アタック……「『バリア』」


 アタックステップで避けながらダメージを与えようとしたが、先にバリアが展開される。

このバリアは俺が出したものではない。

一瞬、何かの罠かと身構えるも、そうでないとすぐに気付く。


「ナイス援護、白黒カップル」

「利害の一致だよ、冷笑系ひとりぼっちくん」


 呼び方については議論したいところだけど、横でスズヤがスキルの詠唱を始めている。


「てことで、ごめんね。ここで一人目のゲームオーバーだ」

「そりゃないよ、あまたん」


 無駄な抵抗と分かっていながら、もう一度散弾銃を構えるヒメ。

銃口の向いている位置に入らないよう、体勢を低くしたまま近付き、右足を斬りつける。

傷口は深く、立っていられなくなり膝をつく。


「風、解き放て!『ウィンドボール』!」


 ワンテンポ遅れたスズヤの魔法。

速さを重視した風属性の魔法まで入れていたようだ。

水属性の魔法は広範囲にダメージを与えられる分、他の魔法スキルより速度が遅い。

そこへ緩急を生み出す為の風属性の採用。


「『バリア』」


 ヒメと距離を詰めた時点で、魔法スキルを詠唱しているのは見えていた。

一度見えた情報は常に頭の片隅に置いている。

仲間意識が高いことが逆に仇となって、攻撃のタイミングを読み取りやすくする要因になってしまった。


 冷静に攻撃を防いだ後、持っていた拳銃で二発発砲。

ヒメが心臓を守る為にバリアを発動。

一撃ポイントを狙ってくるだろうという考えは良かったが、予測は外れて腕と肩に一発ずつ命中。


 彼女は今、スリップダメージでいつダウンしてもおかしくない状態。

放っておいても良いけれど、最後の力を振り絞ってスキルを発動されても厄介だ。

脳天へ一発。

きちんとトドメを刺した。


「ヒメ、ダウン! そっちの援護に入る!」

「バカ言え! 雨神(あまがみ)を野放しにすんな! 俺が一人でコイツら倒す!」

「流石に無理がある、俺も今すぐ……」

「そこで大人しくしておくべきだ。それがリーダーの命令でしょ?」


 拳銃を突き立てて、静止するよう促す。

魔法スキルの詠唱と拳銃の引き金を引く速度。

どう考えても後者の方が早い。


「俺は……俺に出来ることをする。『サイレント』」


 まだ何も諦めていない目をしたスズヤが、魔法使いと相性の良いサイレントを発動。

どんな悪あがきを見せてくれるのか。

少し楽しみな自分がいる。

ご覧いただきありがとうございました。

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