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『一組 ─今日からあなたたちは詐欺師です─』  作者: ミタラリアット
一年生 一学期編

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二十三話『データベースにはご用心』


「班分けを発表するわ」

笹井はそう言うと自分のスマホを開く。

「対応係。布田くん佐田くん茅野さん星野さん」

笹井に発表されては、「え⁉」と茅野が驚く。

「クラス委員なんだもん。やっぱり一番活躍するところにいてほしいよ」と星野が困惑する茅野を見て微笑んだ。


茅野は、「で、でも、私?」と少し躊躇う。


佐田が「こっちでもよろしくな、茅野♡」と茅野を歓迎する。


「うぅ…」突然の歓迎ムードに茅野は縮こまってしまう。


布田が、「せやせや、やっぱ向いてる思ってんー」と茅野を褒めては、茅野は「そ、そんなことないよ⁉」と動揺する。


「本田くん、朝日さん、榎本さん、飛鳥くんはリサーチ」


笹井に言われては、朝日たちは一斉に立ち上がり本田のいる席へ移動する。


「ちょっと、この私が本田くんと⁉同じ陰キャにでも見られているの」


と嫌そうにする朝日に、笹井は「本田くんが朝日さんとやりたいって言うから調整したわ。何を思ってか知らないけど」と朝日に説明した。


朝日は「はぁ?有り得ない、」と言いつつも本田の隣、所謂笹井の席に座る。


飛鳥は、「ふははははははは!珍しい組み合わせだな!人間共、俺にひれ伏せ…」と高笑いをするが、榎本に、「あなたもう高校生でしょ」と突っ込まれ「…」本気で落ち込んでしまう。




本田はその様子を流し目しつつ、笹井がいる教卓前を眺めた。


「次、鈴木くん増田くん志田さんはホームページ対応。もう作ってある偽注文住宅会社のホームページがあるから、その中にログインして対応をお願いするわ」


笹井はそう言うと、「名前呼ばれなかった子たちは自分たちで好きな場所入りなさい。あなたたちはどれを選んでも大丈夫だから」と指示を出す。



女子生徒の一人が隣の席の女子と「なんで笹井が仕切ってんの」と小声で愚痴を言う。


「それに私たちの適当な扱い」と隣の女子生徒も不服そうだ。


その会話を聞いた笹井は鋭い目を彼女らに向ける。


「クラス委員だから仕切ってるんだけど。何か文句でも」


笹井に勘付かれた女子生徒らは、「いやいや文句だなんてそんなー」「そうだよクラス委員なんだから好きにすればいいじゃーん」などと言いそれぞれ自分のやりたい作業の場所に向かっていった。




朝日を「…」と眺める笹井。


「情報収集」本田はそう言うと、「何に対しての情報収集か言ってくれ」と笹井に腕を組みながら訊ねる。


「役に立ちそうなら何でもいいわよ」


笹井がそう言うと、「ちょっと雑すぎない?」と朝日に突っ込まれる。


だが飛鳥は「いいだろう人間‼」と立ち上がる。


「所詮はただの子供か」と本田は言うが、「…?」と笹井は少しの違和感を覚える。



「朝日、飛鳥、榎本、とりあえず俺の言う通りに…」

と振り向きながら本田が三人に言う。


笹井は、じーっと腕を組みながらジト目を本田に向ける。


「なんだ」本田は笹井に視線を返す。


朝日は榎本と「やばいよなんかこわいよ」と耳打ちする。


榎本は「なんか二人だけの世界があるみたいな」と朝日に共感する。


朝日も「熟年夫婦のそれっていうか」と震える。


飛鳥が、「はははははは‼熟年夫婦がどうした!」と大声で二人に言う。


振り返る本田と笹井。


『ちがいますちがいますちがいます』と朝日と榎本は必死に誤魔化す。



本田は「お前がいると濁る。ここは俺が上手く動かすから他の班の場所に行け」と笹井に冷たく言い放つ。


笹井は「…約束、忘れたわけじゃないでしょうね」と本田に問いかける。


本田は「…」と少し面倒くさそうにした。


笹井は「授業終わり。来てくれないかしら」と本田を誘う。


本田は「わかったよ」となんだかんだ承諾した。


笹井が本田たちの班を離れ佐田たちがいる対応係の指導に入る。



「リサーチ。制限は無さそうだ。だがここで調べたらまずいこともある」と言う本田に、朝日はにやにやしながら「如何わしい画像♡」と揶揄うが、本田は「俺がそういうものに興味あると思うか」と冷めた口調で朝日に言う。


榎本は「でも男子だし?実はむっちゅうスケベだったりして」と朝日に便乗して本田を揶揄う。


本田は「毛ほども興味がない」と期待を膨らませる女子二人に答えた。



飛鳥が、「さーてさっそく調べものだ!調べるべきは秘密結社…」と言いかけるが、本田に「落ち着いてくれ」と制されてしまう。


「そうだな…。とりあえずコロナパンデミックについて全力で調べてくれ」本田からの頼みに、朝日は「なんで三十年以上も前の、本当にあったかすら怪しいのに」と不思議に思う。


榎本は「それと詐欺になんの関係が」と言うが、「いいから」と本田はゴリ押した。


茅野が遠くの席から本田を見つめる。


「やっぱり茅野さんって本田くんに興味ある?」と星野が茅野に問いかける。


茅野は「えッ?」と声を裏返す。


「い、いやぁ?そういうわけじゃないよ」と誤魔化す。


「だって最近、ずっと何かと本田くん気にして」と言う星野に、茅野は「ちょっとやめてよー」と恥ずかしそうに笑った。



コロナパンデミックについて調べていく三人。


朝日は「指示するばかりじゃなくて本田くんも手動かしたら」と言うが、本田は腕を組みながら、「四人全員で調べるより一人は他の三人が困ったときに支えに行く役のほうがいいだろ」と説明する。


「ただのサボりに見えるけど」と朝日が本田に言った。


(ぶっちゃけやる気がないってだけなんだが)と心の中で呟く本田。



「秘密結社の影を感じる記事だぞ!見ろ本田!コロナパンデミック人工生物兵器説なんて!はわわっわわわ」


飛鳥はわかりやすく楽しそうな反応を見せる。


本田は「…当時のなんたら大臣にデマって片付けられたやつな」と溜息を吐く。


(…光道教について調べても出てこないからコロナパンデミックについて調べさせては見たものの外れか?)考える本田。


朝日が、「二千二十一年二月から…コロナワクチン接種開始二千二十年にパンデミックがはじまったのに早すぎない?」と微妙な顔を浮かべる。


「うわあ…毎日のように感染者についての記事出してる、まったく知らなかった」と絶句する榎本。



本田は(毎日のように感染者の報道?ならなぜ光道教のパンデミックでは搔き消されたようになにも情報がないんだ)と脳裏で何パターンか理由を考えシュミレーションするが、


(…二千二十年末のコロナパンデミック、その後の光道教が関わっているであろうパンデミック。方や一般的に報道され、方やまるで権力に揉み消されたみたいだ)と、あまり結論は出てこない。



「…」と無言で朝日のスマホを覗く本田。


「なに」と警戒する朝日。


「よくやっている」と急に褒める本田に、朝日は「はぁ?」と目を見開く。


飛鳥は「ははははははは!俺たちが良くやっているのなんか当然じゃないか!」と嬉しそうに笑いだす。


本田は「俺の考えは間違ってなかった」と呟く。


朝日が「なに、考えって」と本田に問いかけるが、


本田は「いつかわかるさ」と適当に答えた。

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