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第18話 あなたが届ける最初の朝便

冬道契約入札はやり直しになり、ハルトマンとオスカーは職を解かれ、リディアと義母の親族台帳偽装も正式に調べ直されることになった。


 私は王都へ残らず、二日後にはノイパスへ戻った。


 宿場門には朝便が一台、きちんと時刻通りに止まっている。御者台から降りたヨナスが、いつもの路線表を差し出した。


「最初の正式便だ」


 路線表の上部には、新しい冬道管理名が記されている。


 ノイパス宿場運営統括補佐 クララ・ヴァイス


「補佐、ですか」


「今はな」


 私は思わず笑った。


「今は、ということは」


「働きを見て決める」


「厳しいですね」


「宿帳に甘さはいらないんだろう」


 その返しに、私ももう笑いを隠せなかった。


 朝便から降りてくる旅人たちは、誰も不安そうな顔をしていない。宿場門に時刻表があり、食糧庫の掲示があり、帳場には正しい宿帳がある。それだけで、街道はこんなに穏やかになる。


 私は路線表を抱え、ヨナスへ頭を下げる。


「ありがとうございます」


「礼なら、春まで宿場を持たせてから聞く」


 そう言う声が、前より少しだけ柔らかかった。


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