モルトスの講義 再び << マイネ >>
この話は、時系列としては、王立騎士団のヨーネスが島ギルドを攻撃する前の話になります。
王立騎士団のミーティングで、セルバートからヨーネスに島ギルドを潰すように指示が出てから、現実時間で1ヶ月半の時間が流れた(ゲーム内時間で、約1年間)時の出来事です。
ヨーネスがファイヤードラゴンを召喚出来ているので、僕やフェアリーに出来ないはずはない。
なぜなら、魔法の技術体系は、その所属する村に蓄積されるので、セルバードの村に所属する僕やフェアリーも、ヨーネスと同じ魔法が使えるはずだ。
僕はセルバートの町のモルトスさん(NPC)の講義を受けていた。
モルトスさんの講義は、ゲーム初期に何回か聞いたけど、基本的な知識ばかりであまり役にたたなかった。
けれど、フェアリーがセルバートの村がレベルアップして学校の施設がレベルアップすれば、もっと実用的な上級知識が解禁されると言っていたので、再び来てみたんだ。
セルバートの村は、今や王国一の立派な町になり、平屋だった学校も、3階建てで幾つもの教室ある施設になっていた。
レベルアップするごとに蓄えられる知識の最新のものは、教室はいくつもあったが、その中のモルトスさんの教室に行けば得られることになっていた。
町の伝言板に学校に「魔法に対する最新の知識が入りました」というメッセージがあったので、僕は久しぶりに学校に来てみたのだ。
そうしたら、ヨーネスも来ていたので、一緒に講義を受けることにした。
モルトスの講義
魔法の系統は8つあり、火、水、風、土が基本の4系統で、様々な魔法の基礎になる。
上級系統は、毒、雷、聖、闇の4系統があり、その上級4系統の魔法は、その系統だけでは使えず、基本4系統が土台になって使えるようになるのじゃ。
例えば、落雷の魔法は、雷系統だけでは使えず、火と水と風が土台になって使えるのじゃ。
つまり火と水と風の力が脆弱だと、ゴロゴロなるだけで落ちては来ぬ。
ただ雷属性がないと、落ちる雷をコントロール出来ない。
標的から1キロ離れたところに落としても、効果はない。
この系統には、属性と、習得魔法の2つがある。
属性は向き不向きのことじゃ。
Sが最適、A〜E、そしてFが適正なしになる。
習得魔法は、スキルツリーにように出来ている。
いきなり最上級の魔法を覚えることはできぬ。
静電の魔法は最初から使える者もいるが、落雷の魔法は火、水、風の必要魔法を習得した後でないと覚えることは出来ぬ。
僕は何度かスマホタップしたけど、情報はこれだけだった。
「なぁ。これ、俺たちをおちょくってるのか。何だよ、この更新情報は」
「僕が知りたいのは、ヨーネスのファイヤードラゴンの召喚の仕方なんだけどな。僕も使えるようになりたいよ」
「俺が知りたいのは、フェアリーの錬金術だ。金貨を作り出したい。そのためにここに来たのに」
「ヨーネス。僕にファイヤードラゴンの召喚方法を教えてくれないか」
「教えるも何も、ファイヤードラゴンと叫べばいいんだ。ここでやるなよ。セルバートの町が焼け野原になるぞ」
「マイネはフェアリーが何と言って錬金術を行ってるか見てないのか?」
「いつも見てるよ。フェアリーは体の割に声は大きいからね。金貨になーれと言って、人差し指で対象物を指し示すんだ」
「それだけ?それだけなのか?こうか?金貨になーれ!」
ヨーネスが机に向かって言うと、何かガチャッという音が聞こえた。
ヨーネスは「行けるかも」と言って、もっと大きな声で「金貨になーれ」と言ったんだ。
「何やってるんだ?」
後ろから声が聞こえたんだよ。
セルバートの声だった。
そして隣にはシャルル。
そのシャルルが鬼の首を取ったように、ニヤリとして言ったんだ。
「金貨になーれ!」
その時のヨーネスの顔を、僕は忘れることは出来ない。
魔法には、村や町の魔術院で習得出来る魔法と、プレイヤー将校固有の魔法があるようだった。
それはモルトスさんの授業で、すでに講義されていたようだ。
ヨーネスのファイヤードラゴンも、フェアリーの錬金術も、プレイヤー将校固有の魔法だったようだ。
ちなみに僕には、固有の魔法はない。
僕には特殊スキルがないみたいなのだ。
その代わり、成長時の能力値の上昇は大きいように思える。
まぁ、龍王の剣があるので、ファイヤードラゴンを召喚できなくても問題はない。
いや、やらなくて良かったよ。
ファイヤードラゴンの召喚を、セルバートやシャルルの前で(笑)




