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あの時、君はそこにいた → 剣と魔法の王国戦争  作者: マイノス
王立騎士団 VS ロマール連合軍

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ロゲルナ VS リリア << 島ギルド マイノス 23 >>

『剣と魔法の王国戦争』との出会い << マイノス >>

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新世界ギルドの勃興 << マイノス 20>>

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島ギルドの再始動 << マイノス 21 >>

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決着!王立騎士団 VS ロマール連合軍 << マイノス 22 >>

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 今回、平原ギルドリーダーのルーデルが戦死した。

 彼は撤退することなく、落とし穴に落ちた兵士を乗り越えて、ヨーネスの部隊へ突入した。

 ルーデルの部隊は大きな打撃を受けていたにも関わらず、ヨーネスの部隊との戦いで善戦した。

 ルーデルは、これが最後の戦いだと、ありとあらゆる魔法やバフアイテムを使用したと思われる。

 しかし、その後方にいたセルバートの部隊が側面に回って一斉攻撃を始めると、ルーデルの部隊は崩れた。

 渡河を終えていたルーデルは撤退することなく、攻撃先をヨーネス隊からセルバート部隊へと変更して攻撃したが、目的を達せずに壊滅した。

 ルーデル戦死の報は、王国チャットと連合軍チャットに流れた。

 連合軍の殆どのギルドリーダーは、領主を部隊に参加させてはいなかった。

 ロゲルナさんも、リリアさんも、ファンリーさんも、カザルスさんも、ヘリオスさんも。

 主だったギルドで、領主を参加させていたのは、アーゼンさんとベスレアさんとルーデルさんと、私だけだったようだ。

 ベスレアさんとアーゼンさんは、早々に撤退に成功させたという報告が、連合軍チャットに入った。

 部隊を解散し、領主将校だけを単独で帰還させたようだ。

 この方法だと、実は敵部隊と遭遇する確率は低下し、一般道中と同様の危険しかなくなり、生還率は高かった。

 私はマイノスと名付けた領主将校を出陣させ、その部隊経験値を上げたかったので、部隊を解散させずに、慎重に撤退した。

 そしてその道中でいくつかのレアアイテムを獲得し、幾ばくかの戦闘経験と多くの行軍経験を獲得した。

 リスクに見合ったリターンは得たと思う。


 戦いは終わった。

 連合軍は敗退し、自然解散となりつつあった。

 王立騎士団はコボルドの財宝を手に入れるのではなく、コボルドと友好を結び、兵士の供給を得る契約を結んだようだった。

 だがそのために、連合軍と戦えるだけの大軍団を用意する必要があったとは思えなかった。

 一部隊を送り、交渉すれば済む話だった。

 なぜ?

 私がその理由を知ったのは、連合軍に残ったプレイヤーの一人が、余った軍資金はどうなったと尋ねたことからだった。

 一度の出征で達成しないケースもあるだろうからと、1/3を残していたはずだけどという書き込みが連合軍チャットに書かれ、それは王国チャットにも書かれた。

 ゲームシステム的にはどう処理されるのかと。

 王立騎士団のザラというサブリーダーが、それに答えた。

 それは連合軍の役員に決める権限があると。

 確認したら、連合軍の役員はロゲルナの海運ギルドが独占していた。

 連合軍の実質リーダーだったアーゼンですら、役員になってはいなかった。

 数時間の沈黙がチャットで流れた後、連合軍資金が全て、ロゲルナの海運ギルドに移された旨のメッセージが出た。

 その後すぐに、連合軍が解散され、連合軍チャットは消滅した。


 王国チャットに、どうなっているんだという書き込みがいくつかされた。

 これには、商人ギルドのゴールネスが丁寧に答えた。


「あのな。ロゲルナの海運ギルドは、王立騎士団の派生ギルドなんよ。最初から、あんさんらを裏切っていたわけではないんよ。わしらもそうやけど。最初は、王立騎士団に敵対して独立したわけやけども、また友好関係が復活したっちゅうわけや。わしらもそうです。堪忍してな。資金は王立騎士団と派生ギルドで、山分けするさかい、おおきに」


 私たちは騙されたのかもしれない。

 王国チャットでは、元連合軍ギルドメンバーの泣き顔スタンプや、怒りのスタンプが入り乱れた。

 1日中、ロゲルナ●ねの書き込みが続いた。


 その翌日、私が接続したら、王国チャットでは、今までとは違う書き込みがされていた。

 リリアの村の座標を教えてくれ、潰してやるという書き込みが相次いでいた。

 王国チャットの流れている会話を見ていたら、おおよそ、こういうことだった。

 ロゲルナのギルドに所属していたサブリーダーのリリアは、ロゲルナが接続を切って寝た隙に、メンバーすべてを追放したようだった。

 リリアは実質的にロゲルナの海運ギルドを破壊し、行方をくらませた。

 彼女は王国チャットにこんなメッセージを書き残した。


「連合軍のみんな。騙した形になってごめん。私が人を見誤った。ロゲルナのギルドに移された資金は、連合軍のみんなに返したかったけど、ロゲルナが接続しない間に、これからまた連合軍を組み直すのは現実的ではないから、国庫に移した。王立騎士団には1ゴールドも渡さない。ロゲルナのギルドは分解させた。私はまだゲームは止めないから、またどこかで会ったらよろしく」


 といって、彼女も海運ギルドを離脱した。


 ロゲルナには個人的にメッセージを送ってみたが、翌日、「自分は終わった」と、しょげ返った返信が来た。

 自業自得だと思ったが、怒りより哀れみを感じた。


 私はゲームを閉じ、現実世界に戻った。

 負けたけど、楽しかったなと思った。


 王国チャットには、その後も様々な発信があったが、セルバートが呟いた一言は、その後の展開に大きな影響を与えた。


「結局、連合軍の資金は、王国政権が手に入れたようだな」


 ザラはそれに応答してコメントを残した。


「そうですね。リリアは王国政権のスパイだったかも知れませんね」


 連合軍の旧ギルドメンバーの怒りが、王国政権に向けられるように仕向ける辺りは、王立騎士団の抜かりなさが垣間見えた。

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