課金地獄へ << マイノス 16 >>
『剣と魔法の王国戦争』との出会い << マイノス >>
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私の課金は、私の収入を遥かに超えるようになっていた。
私はこれまで貯めていたお金を少しつづ取り崩しながら、村や技術を強化していった。
闇雲に課金したわけではない。
出来るだけお得なパックを購入するようにはしていたが、オークション課金は一点ものばかりなので、どうしても値が張った。
オークションで得られるものはいくつもあったが、将校はやはり別格だった。
特に軍事担当者になれる将校は、時に激しい入札が繰り広げられることもあると、ネット上の情報では記載されていた。
そしてブレイクナイトのハンニバルの強さを見てからは、何としても手に入れたいと思っていた。
調べてみると、実際の歴史でハンニバルを倒したスピキオはすでに落札されていたが、キュロス5000$、アレクサンドロス15000$、エイセイ10000$などの偉人は、最低落札に届いていなかった。
流石に私も一人の将校のために、何十万円も課金する気にはならなかった。
結局、将校は敗戦して死んでしまう危険もあるからだ。
オークションと言っても、これは入札競争なんてないじゃないかと、私は白けた気持ちになったが、南方の鉄採集に行った部隊が立ち寄った町で、チャンドラグプタが3500$で出品されていたので、思い切って入札し、落札した。
一度高額の課金をしたら、それ以下の金額は大したことがないように感じられ、ヒポクラテス2000$、アイスキュロス1500$、ブルータス1500$と、次々と課金した。
ロウシ2000$も入札しようかとした時に、このペースで課金しては、貯金がすぐに無くなると気づき、中断した。
また将校ばかりに課金したけれども、直接的に強くするには、消耗品ではあるけれども、物資に課金した方が良かったのではないかと後悔した。
ただ、後にわかったことですが、将校課金はその金額に見合ったものでした。
ヒポクラテスは、病院経営の内政スキルだけでなく、部隊の負傷兵を減らすスキルがあった。
部隊の戦闘後、その兵士は、生存兵、負傷兵、死亡兵に分類され、負傷兵は半分の戦闘力しかなくなるのだが、この将校がいることで、負傷兵が時間とともに生存兵に移行し、戦闘力が回復するのだ。
また複数の本(ヒポクラテスの誓い、神聖病について、腫瘍について)を生み出して、莫大な資金を私の村に残してくれた。
アイスキュロスも、部隊を鼓舞するスキルがあり、こちらも本を複数(ペルシア人、テーバイ攻めの七将、オレステイア三部作、縛られたプロメーテウス)生み出した。
私はこの二人は、補助的だが戦争スキルがあったので、マールの部隊に入れた。
ブルータスに関しては、暗殺スキルがあり、戦闘能力も武力7、知力7、運5と比較的高かったが、ヒポクラテスやアイスキュロスと比べると、若干お得感には欠けた。
ただそれも、暗殺スキルの相手に与える恐怖を考慮すると、妥当かなと後に気づいた。
それまで育てた将校が、部隊が全滅する前に死んでしまうのだから、殺られる方はたまったものではかった。
私はブルータスは自分の部隊に入れ、私への攻撃の抑止力に使った。
チャンドラグプタは、この人物はインドの初代王様で、攻守アップ走力ダウンのスキルを保有していて、なんとこの将校を獲得したときに、象兵500頭まで付いてくるという、ゲーム初期においてのチートボーナスを、私は偶然にも手に入れた。
私はこの将校は、本陣や城門などの要所を守る、部隊長に任命した
そして、この将校の子供のビンドゥサーラ、その孫のアショーカと、将校が死んだ時に継続することを、後に知った。
そしてその頃から、王立騎士団が私たちのギルドを攻撃するという噂がより身近になり、余計に私を課金へと向かわせた。
王国の戦力ランキングは、個々の領主のものだけでなく、村ランキング、ギルドランキングというものもあった。
私たちの島ギルドは、はっきりいって弱かった。
私の村の強さをもっと上げないと、簡単に負けるだろうと思われた。
というのも、鷹の目ギルドが王立騎士団との勢力争いに負けたことが、地図上で確認出来たからだ。
鷹の目ギルドは、王国内では第6位の強さだった。
私たちの島ギルドは第10位だった。
内政より軍事施設を優先的に建設し、一気に兵士も増やそう。
私は村ランキングでは、王国で第二位の強さになるまで、課金を続けた。
村ランキング一位は、セルバートという王立騎士団のリーダーで、それは私の村の3倍近くの戦力を有していた。
私はずいぶん課金したはずなのに、なぜこれほどの差がついているのか。
しかもセルバートは領主ランキングは、弱くはないが、そこまで強くない。
ネット色々調べたら、村ランキングは、その時に支援に来ている部隊の強さも含むということだそうだ。
恐らく、強力な部隊が所属しているのだろう。
領主ランキングでは、1位はヨーネスというプレイヤーで、この人も王立騎士団に所属していて、2位のフェアリーというプレイヤーも王立騎士団に所属していた。
この辺りが、セルバートの村の戦力を押し上げている可能性がある。
領主ランキングでは、私は5位で、ただヨーネスとの力の差は、1.5倍くらいだったので、追いつけないかと何度か課金を重ねたけれど、力が近づく度に、彼は私の上の力を有した。
そして私の強さは、フェアリーを抜き、村ランキンキングに続いて、領主ランキングでも2位にまで上昇した。
私の課金は百万円を超えていた。
そこまでして、私の村は王立騎士団からの攻撃に備えた。
私の村が強くなっていくのと共に、私は気持ちの波が激しくなっていくのが、自分でも感じることができた。
私は王立騎士団との戦いで負けた場合、どうなるのだろうか。
課金した村は壊され、それまでの課金は無駄になるのだろうか。
貯金は500万円ほどあった貯金は、350万円まで減っていた。
これ以上続けたら、やばい。
ゲームを辞めたほうが良いのだろうか。
私は勝っても不安になるだろうし、負けても不安になるという、精神状態になっていった。




