この世界の成り立ち << マール 16歳 15 >>
奇妙な魔法使い マイノス << マール 13歳 >>
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発展を続けるギルド << マール 13歳 11 >>
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精霊の森の秘密 << マール 15歳 12 >>
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ギルド間戦争 VS 鷹の目ギルド << マール 15歳 13 >>
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新たな旅立ち << マール 15歳 14 >>
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これは、私のお父さんが、ある都市で旅の商人から聞いた話です。
私はそれをお父さんから聞き、今度は私が、村長のマイノスさんにした時の話です。
この日も、マイノスさんの家では、暖かな暖炉が焚かれ、外は吹雪くほどではありませんが、雪が舞っていました。
私は16歳になっていました。
偉大な龍王が誕生する前から、世界の人々は何者かに祈りを捧げ、愛を交換し、日々の務めや小さな楽しみを営んでいました。
人間も、亜人種も、獣も、もしかしたら植物も。
龍王の誕生と、その勢力の拡大は、それらの各地に点在した個々の集落を、より大きなものとして形作ることになりました。
龍王の王国は、数百年の時間をかけて、ゴブリンやジャイアントなどの亜人種の移民を受け、少しずつ大きくなっていきましたが、ある時期を境に軍隊を強化し、勢力拡大するようになりました。
亜人種から伝わる話では、龍王はある時期から凶暴になり、その思念は国民である亜人種にも伝播していきました。
龍王の勢力拡大は、対抗するために各地に住む勢力、人類や亜人種の決集を促し、都市が生まれ、国が誕生しました。
しかし、龍王の王国はそれらの都市や国を飲み込み、留まることを知らず、日々その勢力を拡大しました。
その進軍は、世界の全てを支配するのだろうと思われましたが、西の果てに達するかどうかという頃に、ある人類の王国が、その進軍を食い止めました。
その王国は、科学と呼ばれる幾多の新しい技術を使い、龍王の軍隊を打ち負かしました。
龍王はその敗戦に怒り狂い、自らの軍団を率いて、その人類の王国へ攻め込みました。
空からはワイバーンやハーピーが、陸からは様々な亜人種の軍団が大地を覆い尽くすほどの数で、人類の王国へ向かいました。
しかし、人類は初戦で敗走し帰還した龍王軍に紛れて、龍王の王国に侵入し、龍王の遠征時に龍王の宮殿に侵入しました。
更に宮殿の奥深くにある扉の鍵を偽造して開放し、魔法の粉を使用して、さらにその内側に開くことのない壁を作り、二度と時空の穴が開かないようにしました。
その時の侵入者たちは、開放するための鍵を作ることはなかったのです。
その侵入者は、かつて龍王と暮らしていた弟の子孫で、龍王の秘密を代々語り伝えていたのでした。
その頃、龍王は一度は撃退された人類の王国を、龍王自らの軍団の力で滅ぼしましたが、帰還した後に、秘密の扉の奥に開くことのない壁があることに気づきました。
龍王はありとあらゆる手段を用いて、宮殿内の時空の穴へ行く手段を考えましたが、思いつくことは出来ませんでした。
そして、その事件を境に、龍王は老化が始まりました。
数百年の後、龍王は死にました。
龍王は子孫を残しませんでした。
生殖機能が無かったのか、それを魔法で手に入れることは出来なかったのか、もしくはその意欲を失っていたのか、それはわかりませんが、龍王の王国は、龍王の死と共に、各地の有力な支配者が王国を乱立して、分裂しました。
しかし、幾多の亜人種が入り交じる王国は、生活習慣や種族間の考え方の違いから、王国内の共存が難しく、多くの王国はやがて分裂し、国家としての機能を失いました。
そんな中で、人類だけは他の亜人種との共存も厭わなかったため、各地で人類だけが増加し、再び都市を形成し、国家を建設するまでになりました。
今ある世界の王国は、この歴史の渦中にあるという話です。




