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ギルド間戦争 VS 鷹の目ギルド << マール 15歳 13 >>

奇妙な魔法使い マイノス << マール 13歳 >>

https://ncode.syosetu.com/n9816kr/11/


東の島からの帰還 <<  マール 13歳 10 >>

https://ncode.syosetu.com/n9816kr/36/

発展を続けるギルド << マール 13歳 11 >>

https://ncode.syosetu.com/n9816kr/37/

精霊の森の秘密 << マール 15歳 12 >>

https://ncode.syosetu.com/n9816kr/38/

 6日間かけて、私たちは精霊の森を目指しました。

 私たちは街道を順調に進み、その先には鉄の山脈と呼ばれる、巨大な隕鉄が散らばる地域があり、お父さんは鉄の山脈に度々採集に行っていたので、途中に見える精霊の森の場所を間違えることはありませんでした。

 でも精霊の森は危険な場所だと警戒していたようで、いつも近づかないようにしていたようでした。

 私は空を見上げて、雲行きが怪しくなっていることに気づきました。

 北西からくる真っ黒い雲が、空一面に広がり始めていました。

 雨がぽつぽつと振り始める頃、茂みが深くなり、所々に背の高い木々も見られるようになってきました。

 それから半日、夜になる頃には、私たち一行は精霊の森に包まれていました。

 マイノスさんは、キャンプを張るように軍団に命じて、領主たちは会議を始めました。


 「かなり広い森だ。砦を見つけ損なうと徒労感は大きい。数名で斥候隊を組んで、人数の3分の1を使い、広範囲に展開して、少しずつ地域を明らかにしていこう。翌日は休息した3分の1の兵士が斥候隊として動く」


 「途中で、獣や敵対勢力に遭遇したら?」と、クエティパリカという女性領主が聞いてきました。


「簡単に倒せる獣なら戦っても問題ないが、特に鷹の目ギルドなどの他の勢力を見つけたら、戦うこと無く何が何でも撤退して欲しい。こちらの戦闘態勢が整わないと、斥候部隊に人員の三分の一を割いて人員が分散しているので、全滅する危険もある」と、マイノスさんは答えました。

 初日は大きな出来事もなく、探索部隊は一人も怪我をすることなく帰還しました。

 その日、夜襲に備えて警備した私たちの部隊は、翌日は昼間から翌朝まで休息し、5日目も別の隊に大きな成果がないとわかると、6日目に探索に出ました。


 その6日目。

 私は偶然にも、トレントに襲われる鷹の目ギルドを見ました。

 トレントは1体の巨木ではなく、森の一部が魔物となって、鷹の目ギルドを襲っていました。

 彼らは持っていた松明に一斉に火をつけてトレントの群れにぶつけ、そしてリーダーのログリーが、その火を魔法でいっそうに燃え上がらせました。

 トレントの群れは耳を閉じたくなるような奇声を発して風を起こし、空からは大粒の雨を振らせて、その火を消そうとしているようでした。

 鷹の目ギルドのメンバーは、火に包まれないようにトレントの群れの外側を包囲するように隊列を作り始めたので、私の部隊は見つからないように更に外側へと動きました。

 雨はトレントの群れについた火を消し止めましたが、鷹の目ギルドは2度3度と松明に火をつけ、ログリーが魔法で燃え上がらせたので、トレントの群れは徐々に力尽きていくのが、私たちにもわかりました。

 私はその結果を見る前に、目印を残しながらキャンプへと撤退して、その報告をマイノスさんらにしました。

 人数は思ったよりも少なく、500名もいないように見えたと伝えました。


 「彼らの緊張は今夜も続くだろう。明日の朝、全ての部隊で鷹の目ギルドを強襲する」


 マイノスさんはこの時、鷹の目ギルドやトレントからの夜襲の可能性は薄れたとして、最小限の見張りで、ほとんどの兵士を休ませました。


 そして青の港を港を出て、7日目。

 マイノスさんは鷹の目ギルドと太古の砦を発見すると、総攻撃を命じました。

 いつもはパクやロドリゲスが先陣を切って突入するのですが、この日は私やルナさんの部隊が真っ先に突入しました。

 ただ私たちの襲撃は、鷹の目ギルドの斥候に見つかっていたようで、ログリーや副将のマグナイアの姿はなく、ユーレー、ライビッツ、ソルコーらの少数の部隊が防衛していました。

 それも兵力と士気を減らした部隊だったので、私たちが突入したら大きな抵抗もせずに撤退していきました。

 私たちは勝利しました。

 あると思われた黄金の財宝は、全て持ち去られたのか、一つも残っていませんでしたが、魔法の粉が蓄積している箇所が何箇所か砦の中にあり、それを拾い集めて売却したら、かなりの資金になるのではないかと思われました。

 もちろん、各領主は粉は売却しないで魔法使用時に使うとは思いますけど。

 そしてその分配をその日中に済ませた私たちは、砦の防衛領主を決めて、残りのメンバーは帰還することにしました。

 防衛領主は、近隣の散策時に採集したものを持ち帰る権利を有するものとしたことで、部隊を拘束されるデメリットを解消する方策が取られました。

 最初の2週間は、食料等を積んだ輸送部隊を派遣したロドリゲスとマフナドが、防衛部隊として残ることになりました。

 そして砦は太古の砦として、青の港で地図に登録されました。

登場人物が増えていきますので、この辺りでまとめておきます。


フェアリー:マイネと同行する女性。先行する王国で遊び、ここではサブアカウントとして気楽に遊ぶ。現実ではバーのアルバイトをしている。王立騎士団の将校として、セルバートの村に所属。

【マイネ】:中学1年生。野球部で苦手意識を持ち、心が少し病んでいる。ゲームの世界に入り込み、現実の世界のように見ている。龍王の剣を獲得。王立騎士団の将校として、セルバートの村に所属。この小説の主人公の一人。

ヨーネス:王立騎士団の将校として、セルバートの村に所属するマイネやフェアリーの友達。重課金者で大魔道士。

セルバート:ギルド:王立騎士団のリーダー。マイネ、フェアリー、ヨーネスを引き受け、王国最強の村を保持している。現実世界では、ゲーム制作会社の海外支店の総務部部長に新任。

ゴールネス:商人ギルドのリーダー。王立騎士団から独立して、友好ギルドを運営。

イザベラ:懲罰ギルドのリーダー。王立騎士団から派生した傘下ギルドを運営。

ザラ:王立騎士団のサブリーダー。

ログリー:鷹の目ギルドのリーダー。

【マイノス】:島ギルドのリーダー。現実世界では、国家資本の大企業の子会社の従業員。この小説の主人公の一人。

【マール】:マイノスの村の将校。NPCだが、この小説の主人公の一人。

ブレイクナイト:攻撃的な領主。近隣の村を襲撃していたら、島ギルドに目をつけられ、攻撃を受ける。

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