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あの時、君はそこにいた → 剣と魔法の王国戦争  作者: マイノス
王都攻略戦

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VS ケルベロス << マイネ 13 >>

 僕もフェアリーもヨーネスも、少し涙ぐんだけど、急に周囲の音が蘇り、玉座の裏の小部屋で隠し通路が見つかったという報告が聞こえた。

 行ってみると、そこにはシャルルやトールアーサーがいて、彼らは「たぶんこの通路は王宮に繋がる道だ」と言った。

「どうする、行く?」とヨーネスがシャルルに聞いたら、シャルルはセルバートの到着を待とうと言った。

 王の間には、すでに西の強国ギルドも到着していて、商人ギルドや懲罰ギルドも入ってきた。

 そしてその後に、セルバートが入ってきた。

 やはりセルバートは他の人達とは存在感が違う。

 ゴールデンナイトに守られて入ってきたセルバートが玉座に腰掛けると、王の間にいた人たちは一人、また一人と跪き、その指示を待った。


「恐らく王宮へと続く隠し通路が見つかっています。これから行きますか?」とシャルルが立ち上がり、セルバートに聞いた。

「まずは魔物の発生源を全て見つけるのが先だ。それと略奪も一部発生している。イザベラ。王宮の探索はあなたにお願いしたい。王宮が荒らされないように信頼できる部下に管理も要請する」

「承まわった」


 イザベラがすぐに立ち上がり、マミアというギルドメンバーを連れて玉座の後ろの小部屋へ向かった。

 王の間の中央には、大きな地図が広げられ、ザラが各ギルドに大まかな制圧目標となる地域を指示した。

 そこから各ギルドリーダーがギルドメンバーに制圧する施設を指示した。

 イザベラの去った懲罰ギルドは、ロンドモーレがギルドメンバーに指示を出した。

 王立騎士団のメンバーは、ロマール城とその周辺の探索を行うことになった。

 僕らもロマール城内の探索を改めて行うことにした。


 王都制圧と、魔物の発生源の調査は、夜通し行われた。

 ロマール城内では大臣室の一つに、巨大な闇の穴があり、そこから出てくる魔物にケルベロスが食いついているのが確認された。

 王都にはガルムという魔犬が共食いをして、ケルベロスという魔物がいるという噂があったが、それかこれかと僕らは確認した。

 幸いなことに、ケルベロスは巨大化しすぎて、大臣室から出れなくなっていたので、セルバートはひとまずその場には監視員だけおいて、他の場所の探索を指示した。

 僕らはどうすればあのケルベロスを倒せるのか相談したら、ヨーネスが言った。


「この城は木造ではないけれど、城内でファイヤードラゴンを召喚するのは止めたほうが良いかもな」

「そうね。こんなのはどう?伝承によると、ケルベロスの好物は甘いもので、食べると寝てしまうらしいわよ」

「俺、パンなら持ってるけど。これに睡眠薬染み込ませれば、効果あるかも」

「睡眠薬なら私が持ってるわ。何で持ってるかなんて聞かないでね。大人には色々事情があるのよ」

「あの。それを使って、僕にケルベロスとタイマンで戦わせてもらえないかな」


 僕は二人に相談した。

 僕はまだこのゲームで、周りの人に強いところを一度も見せることが出来ていなかった。

 このゲームのギルドメンバーはそれで僕を見くびるような発言はしなかったけれど、でも僕自身が自分の活躍に物足りなさを感じていた。

 さっきもジャイアントスパイダーとの戦いで、フェアリーを助けることが出来ずに、ヨーネスが助けたことも、僕がケルベロスと戦いたい気持ちを強くした。


「やってみなよ。死なねえようにサポートすっからさ」


 ヨーネスが僕の肩をぽんと叩いた。

 フェアリーも、「応援するよ」と、小さい手で僕の肩を叩いた。

 僕はこの気持ちをセルバートに伝えた。


「いいだろう。明日朝イチで、マイネの部隊がケルベロスを討伐し、闇の穴をふさぐ」


 セルバートが地図の前で制圧の進捗を眺めるギルドリーダーたちに、そう伝えたとき、西の強国ギルドのロドリゲスが「ちょっと待ってくれ」と言い出した。

「大臣室の闇の穴は人が通れるくらい大きい。探索してみないか?」と言ってきたのだ。


 僕らはそれを少し離れたところで聞いていた。

 僕は龍王軍が闇の穴の中に入って行ったことを思い出し、フェアリーに「行けなくはないよね」と確認した。

 フェアリーは「行けると思う」と言い、ヨーネスは「マジか、行けるのか」と興味を示した。

 シャルルやイザベラが反対しているのが聞こえた。


 「行ってみたいよね」


 僕はフェアリーとヨーネスに確認したら、「行きたい」という。

 僕とフェアリーはセルバートに、龍王の幻の話を伝え、「闇の穴の中に行くことは出来る」と伝えたんだ。

 セルバートは「どうするか」とザラに相談したけど、ザラは「考えたい」と回答を保留にした。

 そこでセルバートはゴールネスに聞いたら、「行きましょう」という答えだったので、闇の穴の中に侵入することになった。


 僕らは大広間でキャンプを張って休んだ。

 部隊の兵士は城の外で休むことになった。


 大広間では明け方まで王都各地からの報告が届けられたけど、僕はずっとこれまで先頭になって戦ってきたからか、疲労が凄くて一気に気を失うように眠りこけた。


 翌朝、僕らは先陣を切って、大臣室に向かった。

 僕は睡眠薬を染み込ませたパンを部屋に投げ入れて、ケルベロスがそれを食べるのを見届けた。

 確かにしばらくしてケルベロスは動きが止まり、眠りに入った。

 ヨーネスが僕に攻撃力増加のバフ魔法をかけ、フェアリーが敏捷性増加のバフ魔法をかけてくれた。

 僕は龍王の剣を鞘から抜いて、扉を開けて静かに入り込むと、素早くケルベロスの首を落とした。

 一撃だった。

 ヨーネスとフェアリーが駆け込んできて、僕とハイタッチをした。

 ケルベロスは目を覚ます間もなく死んで、魔法の粉になった。


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