異世界探索 << ロドリゲス >>
わいの部隊が先陣になって進み、西の強国の他の部隊も続いて入るように指示されて入ってきよった。
ボへレゴはついてきてくれたわ。
メリークリスマスちゃんは、止めとくやと。
それがええねん。
ここは危険の巣窟や。
西の強国に続いて、商人ギルドの連中が入ってきよった。
そして騎馬は止めたほうが良いと、ゴールネスのおっさんもセルバート王に伝えておった。
商人ギルドに続いて、懲罰ギルドが入り、最後に王立騎士団が入ってきよった。
そして前方は水辺なので、後方に見える山脈の方に進もういうことになった。
まずは足場の良い場所を確保しよういうことや。
後方の山脈に向けていくということで、今度は王立騎士団が先頭になって進んだんや。
わいらは最後方で歩き出した、その時や。
変な声が聞こえたんや。
キエーーーーーいう、人間がもっとも嫌う音のような声や。
そしたら、前方上空に、何かが見えるんや。
わいは目がいいんや。
すぐにそれが何かわかったで。
それはドラゴンや。
ドラゴンの中でも、もっとも恐るべき、青龍や。
ドラゴンにはな、いくつもの種類があんねん。
ブラックドラゴンとかイエロードラゴンとかレッドドラゴンなどは、その所在地域特有の要素で色素がついたもんや。
一般的にはグリーンドラゴンが幼少期のドラゴンで、これはまだあまり動けんから、発見事例は少ないや。
それからな、ホワイトドラゴンは老年のドラゴンや。
これはもう人智を超えた存在で、こちらから下手に仕掛けたりせな、何の問題もあらへん。
活動も活発ではないしな。
だがな、ブルードラゴン、青龍はあかん。
殺戮と破壊を繰り返すことで、成長する青年期のドラゴンなんや。
あんたにも、若い頃に心当たりはあるやろう。
無敵状態の若い頃の心理を。
人間は法があるから行動を自制するが、青龍を縛るものは何もないんや。
聞き難い奇声がまた聞こえたと思ったら、その巨大な姿がもう見えたんや。
デカすぎや。
わいの聞いとった、ドラゴンの一般的な体長の30mどころの大きさではない。
たった一撃のファイヤーブレスで、前方にいた1/3の部隊が火達磨になったんや。
終わった。。
わいは死を受け入れるしかなかったで。
勝てる相手やない。
その時や。
前方にいた兵士たちが引っ張られるように、異世界の穴の方にすっ飛んで行ったんや。
それも次から次へと。
こんな魔法は見たことないで。
ふと、セルバートが魔法の粉を使い切らずに残していたことを思い出したんや。
それか!
次々と兵士たちが異世界の穴の方に飛ばされていく。
だがな。
なかなか、わいの番が来ないんや。
見とるとな。
王立騎士団の兵士だけでのうて、懲罰ギルドや商人ギルドの兵士たちも飛ばされている。
そして、西の強国の兵士たちも、ボヘレゴも飛ばれていったんや。
わいの周囲の兵士たちもや。
青龍は上空で旋回して、再びこちらに来よる。
何でわいの番が来ないんや。
わいは救済される存在ではないんか?
わいがこんな場所に行こうと提案したから、わいは責任を取らねばならんのか?
嫌や。
みんなで賛成したやないけ。
わいも助かりたいねん!
そう思ったときや。
体が急に強い力に引っ張られるようにすっ飛んだんや。
助かった。
そう思ったとき、わいは最後まで残された男を見てしまったんや。
商人ギルドのゴールネスのおっさんや。
ゴールネスのおっさんには、神の救いはなかったんや!
ゴールネスのおっさん、本当は王になりたかったんや。
だが、そのチャンスを逃した。
だから起死回生の策として、危険な闇の穴の中に、セルバート王を誘ったんや。
わいは単純に好奇心から、闇の穴の中を探索したかっただけなんや。
悪意はないんや。
だから助かったんや。
だがな、ゴールネスのおっさんには、悪意しかなかったんや。
わい、わかるで。
同郷やしな。
ドラゴンが口を開けてその周りには、火炎が溢れてるで!
ゴールネスのおっさん、これからあの炎で丸焼きやで。
火力強すぎて、食えるところなんかどこにもないで!
可哀想に。
さようなら、ゴールネスのおっさん。。
最後に合唱したら、ゴールネスのおっさん、こっちに走ってくるでないか?
え?
ええ?
いや、来たらあかんやろ!
ドラゴンはおっさんを標的にして、これからファイヤーブレスを吐くんやで!
おっさんが、わいの方に来たら、炎がこっちに来てしまうやないか!
え?
マジなん?!
うわぁぁぁぁぁぁ!
吐きよった!
青龍がファイヤーブレスを吐きよった!
おっさんとわい、ここで一緒にゲーム人生を終えるんや。
マジか。。
そう思った時や。
ロマール城側から異世界側へ、ゆっくり歩いてきた女将校がいたんや。
わいはその女を知ってる。
ベラトリクス。
商人ギルド最強の戦士にて、絶世の美女のベラトリクスや。
彼女が両手を広げて言ったんや。
「ウォータードラゴン!」
すると眼の前の沼地から1体の水龍が現れて、青龍のファイヤーブレスを飲み込んだんや。
無論、青龍を倒したわけやない。
しかし、ゴールネスのおっさんが、闇の穴まで逃げ帰る時間は稼いだ。
そしてわいやゴールネスのおっさんやベラトリクスが、異世界から帰還すると同時に、王立騎士団のフェアリーが魔法を唱えて、異世界の闇を閉じたんや。
彼女は魔法の粉を飲んでいたらしいで。
ゴールネスのおっさんは、王位にはつけなかったが、自分の意思で生還した。
悪運が強いとかやない。
確かに、ベラトリクスが助けなければ死んどったが、あれは助けるべくして助けたように思えるわ。
わいは仲間に助けてもらえるんかな。。
いやいや、そうやないで。
わいが仲間を助けなあかんのや。
きっとそういう男やから、ゴールネスのおっさんはベラトリクスのような絶世の美女が付き従うんや。
ちなみに、異世界で焼かれた兵士も皆、このロマール城内へ飛ばされておったわ。
みんな必死で治療しておった。
わいも少ないポーションを提供して、治癒魔法を発動したで。
わいのは威力は弱いが、広範に効く全体治癒魔法なんや。
全く効果なかったで。
弱すぎや。
わいの治癒魔法は。
ドラゴンブレスで焼かれた兵士は、重症者、軽症者含め、翌日には全員死んだ。
軽症でも治療が出来ないらしいんや。
火傷が全身に回り、苦しんで死んどった。
ドラゴンブレスには強大な魔力が込められとったらしい
王都攻略戦のわいの話はこれで終わりや。
現実時間で7か月目、ゲーム時間で4年半過ぎた頃、セルバート王が王になり、ロマール王国が建国されたんやで。
ヨーネスやマイネの坊は、最前線で戦っておったし、わいよりは面白い話ができるかも知れんで。
そっちの話も聞いたってな。




