魔物の発生源 << ロドリゲス >>
セルバート王は全員を起立させ、ロマール城、及び王都全体の地図を広げさせよった。
そして、魔物の発生源を、虱潰しに見つけるよう指示を出しとった。
今日は夜通し、ロマール城、及び王都内の占拠が行われるやろう
わいはメリークリスマスちゃんやボへレゴの部隊を王の間で待っとった
無事に来てくれるといいんやが。
王の間の一角では救護場所が作られ、負傷兵が運び込まれとった。
セルバート王が、王の間の一角にわいらのキャンプを立てる許可をくれたので、わいはそこで仲間の到着を待った。
夜は更けていき、メリークリスマスちゃんが血の滴る宝石を笑顔で見せてくれたり(猫ちゃん痛かったやろうな・・・)、ボへレゴがカルキノス(ランクD)を抱えてきて、今晩はこの巨大カニを食いましょうと言ってきたり、わいらは小さなギルドやけど、楽しい夜やったわ。
王の間にはひっきりなしに各地からの報告が上がったとった。
人の出入りや魔物と格闘した異様な臭気が、換気されとるとはいえ漂うさかい、休む気にはなれんかった。
わい、繊細なんかな。。
気づいたら朝やったわ(笑)
セルバート王はかなり遅くまで起きとったみたいやね。
わいが起きたときには、大方地図は埋まっとった。
一夜にして、王都を完全攻略したみたいや。
城内には一つ、大臣室にでっかい闇の空間があるようだ。
わいもすぐに兵士を連れて見に行ったが、ケルベロスいう犬のバケモンが部屋をうろついていて、簡単には入れん。
幸いに、デカくなりすぎて部屋から出れんようになっておったわ。
城外の王都全体では3つほど闇の穴があるみたいや。
こちらはこまいものばかりで、出てきた魔物をすぐに倒せるように、兵士が包囲しとる。
セルバート王らの打ち合わせには、わいも同席したが、闇の穴は魔法の粉で塞ぐというので、「それはちょっと待ってや」と言わしてもらった。
この闇の穴の中には、途轍もない宝物があるかも知れんのや。
そもそもわいらは魔物退治で大きな利益を上げとる。
都市での討伐依頼以外にも、魔物を倒したときに発生する魔法の粉は、誰もが欲するものや。
(王になれん以上)、わいの目的は魔物討伐しかないねん。
わいがそう意見を述べたら、王立騎士団のシャルルが「それは今回の目的ではない」とか冷静に言いよるし、懲罰ギルドのイザベラは「嫌な予感がするなぁ」とか、なぜ狂戦士が反対するんか意味不明やったわ。
ただ、王立騎士団のマイネの坊とフェアリーの嬢ちゃんが、龍王が闇の穴に中に軍勢を送り込んで行ったいう幻をみた言うて、ヨーネスと一緒に探索に賛成してくれたんや。
セルバート王はサブリーダーのザラに相談しよって、決めかねるようで、ゴールネスのおっさんに意見を求めたんや。
わいはゴールネスのおっさんは賛成すると予想しとったが、やはりそうやった。
どういうことかて?
わいの口からはそれは言えんわ。
こう見えても、口は堅いんやで。
言ってええこととそうでないことがあるくらいは、分別せなあかんで。
子供やないんやしな。
結局、全員ではなく、有志が3000名まで闇の穴の中に探検に入ることになったんや。
そして問題はや、大臣室の中にいる、闇の穴の前にいる、ケルベロス(ランクC)や。
狭い場所やから何百人の軍勢で包囲殲滅ことは出来ないんや。
ランクCやと、将校なら一人で討伐可能、10名の熟練兵士なら討伐可能、100名の兵士なら討伐可能、1000名の大人なら討伐可能(町の住人で対処可能)ということにはなっとる。
だがな、あくまで可能ということや。
将校が一人で「確実」に倒せるのは、ランクDまでということになっとる。
わいは慎重な男やからな。
先陣を立候補することは遠慮したわ。
わいがセルバート王とは目を合わせんように、ボへレゴやメリークリスマスちゃんと昨日のカニ料理について談笑を始めたら、何とマイネの坊がケルベロスをすでに一人で仕留めたいう連絡が来たんやわ。
マジか。
さすが王立騎士団や。
層が厚いわ。
するとセルバート王が俺を呼ぶんや。
マイネの坊がケルベロスを仕留めたらしいですね、おめでとうございますと揉み手で祝辞を述べたら、次はわいの番だという。
闇の穴に、わいが先陣で入る栄誉を預かったんや。
わいもな。
闇の穴、異世界への穴がどれだけ危険かはわかっていたはずや。
闇の穴に触れた途端に、闇の住人になって魔人になってしまう話も聞いたことがあるで。
その危険は、誰が引き受けるべきなんや?
言い出しっぺの、わいしかおらんがな。
なぜそんなことに頭が回らなかったんや(泣)
その時、イザベラが王都の結界に部隊を突入させ、次々に兵士が死んでいく中で最後は自分も突入しようとして、セルバートらが力ずくで止めたいう話を、シャルルが口にしたんや。
奴はわいの肩をぽんぽん叩いて、安心しろ、まずは兵士から突入させ、全滅するようなら、お前の突入を止めるやつもいるだろうと言いよったんや。
だがな。
3000人も大臣室に入るわけないんや。
わいの仲間は後方に追いやられ、王立騎士団の冷酷な面構えをした戦の鬼が、わいの後方で控えているんや。
誰がいざという時、わいを引き止めてくれるんや?
わいは言ってやったで。
「わいが先陣や。異世界参戦の歴史に名を残すのは名も無き兵士やない。わい、ロドリゲスや。覚えとき」
わいは目をつぶって、真っ直ぐに入ったよ。
兵士たちがわいに続いて、続々と入る。
その先には、青い空を足元には沼地。
その先には水辺が見える。
水草の匂い、優しげな風。
ここが異世界や。
わいは闇の向こうに届くように、言ってやったわ。
足元は沼地やねん。
騎馬は止めた方が良いかもな。
他は問題あらへん。
入ってこいや!
異世界の探索や!




