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あの時、君はそこにいた → 剣と魔法の王国戦争  作者: マイノス
流氷港の戦い

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クエティパリカの抗議と離脱。漆黒の騎士の召喚 << マール 19歳 28 >>

奇妙な魔法使い マイノス << マール 13歳 >>

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大陸への再進出 << マール 19歳 25 >>

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島ギルドの戦略と第一ギルドの策略 << マール 19歳 26 >>

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流氷港への攻撃 << マール 19歳 27 >>

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 更に2ヶ月後には、第一ギルドから攻撃を止めてもらえないかとの要請がありましたが、マイノスさんはそれを断り、3度目の攻撃を試みました。

 この時気になったのが、サブリーダーのクエティパリカさんが、もう攻撃は止めたらどうかとギルドの評議会で発言したことです。


「島に村を置く限り、大陸の海岸沿いの拠点はどうしても必要だ。何としても攻略する」


 マイノスさんはそう言って猛攻をかけ、多くの敵を殺しましたが、敵は都市収益の全てを防衛兵力の補充に使い、常に倍以上の戦力を保っていました。

 しかしマイノスさんは更に魔力を高めていましたので、3度目の攻撃では敵の兵力は1/3まで減りました。

 私たちは今回は完全撤収せずに、一部部隊を残して包囲を続け、交易の妨害も行いました。

 しかしこの交易妨害の行為は、サブリーダーのクエティパリカさんの心を病ませました。

 そこまでしなければいけないのかと、一度マイノスさんにクレームを言ったあと、村から姿を消しました。


 私たちはサブリーダーを失いましたが、更に2ヶ月後の4回目の攻撃を開始しました。

 その時には、王立騎士団が中立表明を撤回して、第一ギルドの支援に部隊を派遣してきました。

 そして私たちは、その情報をすでに入手していました。

 新世界ギルドのスパイが、王立騎士団の動きをチャードンさんに伝え、それをマイノスさんに伝えてくれたからです。

 マイノスさんは「ワープホールを使ってくることはないだろう」と言いました。


「ワープホールは、作れる者が限られていて、入口出口の双方で作る必要があり、作成した領主は魔力の半分を消費する。王立騎士団と第一ギルドの領土は隣同士だ。大きな会戦を前にして、主力級の領主が魔力の半分を消費するのは不利だからね」


 実際に、大魔道士ヨーネスは来ていませんでしたが、サブリーダーのザラ、そして内政官のライゼン、軍事担当官クルーべ、トールアーサー、コーベンと軍事担当官4名中3名が派遣され、他の王立騎士団のメンバーも加えると、総勢4000人もの兵力が陸路で進軍してきました。

 港に詰めた2000名ほどの兵力と合わせると、6000人規模になり、敵は約2000人の私たちの3倍の兵力に達していました。

 そしてその兵士の質は、百戦錬磨の王国最強ギルドですので、私たちよりどう見ても上でした。


 しかしマイノスさんは何ら動じることなく、王立騎士団が流氷港に向かってくる道中に伏兵として忍び、敵が近づいてきてから強襲しました。

 サブリーダーのザラは、こちらから攻撃してくるとは予想していなかったみたいで、敵の兵士は慌てふためきました。


 ザラの部隊が混乱に陥ったので、ライゼンが代わりに指揮を取ることになり、部隊を後方に下げて陣を立て直そうとしました。

 その時間を稼ぐために、敵将クルーべの部隊が前線に出てきて、マイノスさんの部隊に対応しました。


 私はそれをさせまいと、部隊に突撃を命じましたが、その時に驚くべき光景を見ました。

 マイノスさんの騎兵隊が、私たちの部隊を追い抜いて、敵陣に突っ込んで行ったのです。

 私はマイノスさんは後方で魔法を使って戦う人だと思っていたので、危険を感じ声をかけましたが、マイノスさんはこちらをちらりと見て笑いかけ、そして雄叫びを上げて更に馬を速めるのでした。

 そしていよいよ敵と接触しようかという時、マイノスさんは呪文を唱え、マイノスさんの前に大柄な漆黒の騎士が現れ、次々に兵士を切り倒して行ったのです。

 次第にマイノスさんの姿は見えなくなり、漆黒の騎士だけが休むことなく、恐ろしい切れ味の剣を丁寧に振り続けるのでした。

 時間が止まったように辺りは静かになり、兵士が倒れて、鎧や兜が地面に叩きつけられる音だけが響きました。

 敵将クルーべを切り倒した時、漆黒の騎士は次の敵を探すように動きを止めました。


 王立騎士団の兵士は、恐怖で一斉に潰走を始めました。

 ザラは戦うように、退くなと命令を出していましたが、ライゼンが彼女を抱き寄せて馬に乗せ、「勝てません。逃げてください」と言って、退却しました。


 流氷港の兵士たちも、この戦いを高櫓から見ていて、それが全軍に伝わり戦意喪失しかけましたが、第一ギルドリーダーのファンリーが強い魔法結界を張って、兵士の恐怖を鎮めました。

 王立騎士団との戦いは完勝でしたが、結局この時も、第一ギルドとアルプスギルドは死力を尽くして流氷港を守り、私たちは撤退しました。

 もちろん、一部の部隊を包囲隊として残し、流氷港の交易妨害は続けました。


 2ヶ月後の5回目の攻撃を計画している時、新世界ギルドのチャードンさんから連絡が来ました。

 それはこの長い戦いを終わらせ、私たちに新たな展望を開く話でした。


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