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6:「約束の時間に来なかった相手を待つ」



 レストランに蛍の光が流れて、ラストオーダーの時刻になったことに気が付いた。

 あと三十分で閉店するが、あいつは来ないかもしれない。

 でも、もしかしたらを考えると、立ち上がる気になれなかった。

 冷めたコーヒーを一口啜る。

 その苦さが私を現実に引き留める。

 私の妹は殺人事件の被害者。

 あいつは加害者で、しかも事件当時未成年だった。

 妹の最期はどんなものだったかを知りたい。

 あいつは私の前から逃げたまま、大人になった。

 ニュースでは更生施設と呼んでいた。

 三度の食事が出るところで、眠る場所もあるらしい。

 店員は静かに伝票を置く。

 私は入り口を見たまま、財布に手を伸ばした。





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