表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/30

29:「夜、洗濯物を取り込む」



 残業を終えた夜、賃貸マンションに帰ると換気を兼ねてベランダに干していた洗濯物を取り込んでいく。

 一枚ずつ畳んでいるうちに、見覚えのない服が混ざっていることに気づく。

 フリルの付いたブラウスなんて、私の趣味じゃない。

 しかも、その服にはまだ温かさが残っている。

 もちろん私のものではない。

 一人暮らしなのだから、家族の物という可能性もない。

 私は知らない人の服を、ベランダから捨てた。 

 風に舞いながら落ちていくフリル付きブラウスは、なかなかの見ものだった。

 部屋へ戻ろうとした瞬間、


「賢い、賢い」


 と声がして振り返るが、誰もいない。

 当然だ。八階のベランダに人がいるはずがない。

 それに私の部屋の両隣は空室だ。

 駄目だ。それ以上のことは考えるな。

 私は部屋に戻ると窓の鍵を閉め、カーテンをひいた。

 ふと思いついた。

 さっきのことを怪談系YouTuberに送ったら、採用してもらえるかもしれない。

 確か、あの人なら謝礼に五百円のギフトカードをくれると公言している。

 私はパソコンを起動し、読みやすい文章を心掛けてさっきの体験談をまとめた。

 文章を読み返していて、私は一カ所だけ首を傾げた。



 フリルのブラウスを、誰かが私のベランダに干した。




 私は、そんなことを書いた覚えがなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ