24:「絶対に二つあるはずのないものが二つある」
朝、家を出る前に身支度をしている。
いつも通りのはずなのに、何かがおかしい。
メイクボックスを開ける。
昨日買ったばかりの口紅が、同じ物が二本並んでいた。
洗面所の歯ブラシ、玄関の靴、昨日まで一つあったものが、なぜか二つある。
玄関に行けば二つのゴミ袋が臭かった。
思わず目を背けると、靴箱の上に飾ってある写真立てが見えた。
メイクも服も、喋り方まで真似する女だった。
それどころか、試験で間違える問題まて同じだった。
双子コーデなんて承諾するんじゃなかった。
あれ?
でも、あいつ、三ヶ月前に死んだよね。
「二つ目を置いたのは誰?」
まるで血管が凍ったかのように身体が寒い。
くしゃみまで出て、身震いした。
私は大学に休むという電話をしたあと、近所の神社に駆け込んだ。
宮司に事情を話し、お祓いを受けた。
「もう大丈夫でしょう」
そう言われても、アパートに帰る足は重かった。
アパートに帰って、恐る恐る見てみると、口紅や歯ブラシなど二つあったものは一つに減っていた。
安心したらお腹がぐーっと鳴った。そのうえ喉もカラカラだ。
コンビニに行くために財布を持って玄関の靴を履こうとし、その時だ。
写真立ての二人まで一人に減っている。
減らされたのは、私だった。
ピンポーンとインターホンが鳴った。
その時、玄関の外から声がした。
「ねえ、開けて。私、今、一人なの」




