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9 オレ、何やってんだろう……
その後、御前太監が告げた通り、答応から貴人へ昇格する聖旨が下り、慌ただしく準備に追われ、昨日、冊封式が行われた。
朝から式のための支度で大忙しだった一心は、精も根も尽きてヘトヘトだった。
衣装も冠も重く死ぬかと思ったし、式で何か失態をやらかすのではないかと自分でもひやひやした。だが、一番肝を冷やしていたのは林杏だったであろう。式が執り行われるまでの数週間、一から十まで礼儀作法を一心に教え込んでいたのだから。
それにしてもオレ、何やってんだろ。
結局、元の時代に帰る方法も探せないまま、この時代にどっぷりとはまりつつある。
「早く戻りたい。もういやだ」
「いやなら早く記憶を取り戻してくださいませ」
泣き言を言うたび、林杏に叱られた。
式が終わり、部屋に戻った一心は、テーブルに用意された酒をしこたま飲み、そのままベッドに倒れ込むと同時に寝落ちした。




