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第2章
良作は悩んでいた。
・・・あれから、本当にいろいろあった。
理沙と別れた平成元年9月と、令和4年のいまとでは、「隔世の感」さえ感じる。
人も・・・そして、世の中も、大きく様変わりした。
(時代が変わっても、理沙ちゃんはちっとも変わっていないようだ。ぼくを取り巻く環境も状況も、すべて変わってしまっているというのに・・・。)
理沙のなつかしい筆跡をぼんやりと眺めながら、彼は何日も結論を出さなかった。
・・・いや、出せなかったのだ。
理沙のかつての親友、峯岸美絵子の死・・・
いくら30年以上の時が経過していても、そんな残酷で寒々しい事実、現実を、彼女に知らせることなどできようか。
それに、自分を長年、ひそやかに孤独に愛し、想い続けてくれていた遠山里香・・・理沙と同様、良作にとっての強い味方であった里香を失って、まだ心の整理がついてはいないのだ。
(つらい・・・つらいよ、理沙ちゃん。こんなとき、ぼくは・・・また君に甘えていいのかい・・・? こんな弱いぼくでも、君の支えになれるのかい・・・?)




