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学園戦隊ボウエイジャー  作者: 水嶋りこ


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第7話:文化祭を守り抜け!(後編)

時同じくして、ヤムヤム・ネタミーナとの戦いも終盤を迎えていた。


「なぜ!?なぜなの??さっきまでストレスで満ちていたのに、なんなの!この幸せオーラは!?」


「みんなが上手くやってくれたみたいだね」

泉がにっこりと微笑む。


美人への妬みから生まれたヤムヤム・ネタミーナ。

ミスコンを妨害し、参加者と観客達を苦しめてストレスを集めようとしていたらしい。

参加者と観客のストレスが無くなり、自分の作戦が失敗したことを知ったようだ。


「おかしいっ!こんなの不公平よ!美人なんて、どうせ顔以外大した魅力もない女たちでしょ?もっともっと苦しむべきなのよおおおお!!!」


頭を掻きむしり、叫びながらネタミーナが泉と千代に攻撃を繰り出してくる。

しかしその威力は、先ほどの半分以下にまで落ちていた。

 

反対に泉と千代の攻撃力は増している。

二人が強くなったのではなく、ネタミーナが弱くなったからだ。

 

モンスターは他人のストレスで成長し、自分のストレスで弱体化する。

生徒からのストレス供給が途切れ、冷静さを失ったネタミーナは、もはや二人の敵ではなかった。


「ありえないありえない!こんなの絶対許されるわけない!!」

喚き散らすネタミーナに、泉と千代は冷静に攻撃を重ねていく。


「見苦しいですね」

倒れ込んだネタミーナを、千代は冷ややかな目で見下ろした。


「人の見た目に興味はありません。ですが、何の努力もせず、妬んで喚いて他人を蹴落とす……そんなあなたを、心底醜いと思います」

千代は哀れみをたたえた目で見据えると、スナイパーの銃口を向けた。


「——だから選ばれないのでは?」



「……千代ちゃんも大概、容赦ないよね。ネタミーナ泣いてたよ」

「自業自得です。そんなことより、急ぎましょう」

二人も六花のステージへと駆け出した。



体育館へと集合した防衛部のメンバーは、思わず息を飲んだ。

そこには、まばゆいスポットライトを浴びて歌い踊る六花の姿があった。


「あれが六花か」

昴が感心したように呟く。

若葉は目を丸くした。

「すげぇ。六花、ほんとにアイドルなんだな」

「六花さん、輝いてますね」

千代も微笑む。


「……六花ってさ、すごく不器用なんだよね」

ステージを見つめながら、ふと泉が言った。


「若葉も養成所で見てたから知ってるでしょ。覚えも悪いし、教えたことも一度では絶対にできない」


ソードもはじめはただ闇雲に振り回すだけだった。

若葉のように、実戦でいきなり武器を使いこなす器用さは六花にはない。

教わったことを教わった通りにしかできない。だから泉はまず、一つ一つの動きを徹底的に叩き込んだ。


教えはじめてすぐに、これは長い道のりになりそうだと覚悟した。不器用で、何度やってもなかなか上手くできないから。

一つをものにするまでに、どれくらいかかるのだろうと、気が遠くなりそうだった。


だけど六花は、次に会うまでに必ずできるようになっていた。


彼女の手のひらが血豆だらけなことに、周りはきっと気づいていない。

いつも苦労知らずな笑顔でいるから。


あんな風に人の心を惹きつけるほどに歌って踊れるようになるまでに——


「あの子……どれだけ努力したんだろう」


体育館を満たす拍手と歓声の中、六花はキラキラと輝き続けていた。

彼女の歌声が、観客の心を結んでいく。


それはまさに、一人で戦い、観客たちの笑顔を守り抜いた”ヒーロー”の姿だった。

 

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