Lycanthrope
拉致された被害者たちが収容されている施設を警備している者たちにとって、今の状況は姿が見えないバケモノに襲われているようなものだった。
本部と連絡が取れず孤立状態になり、仲間は一人また一人と姿を消した。やっと仲間を見つけたと思ったら、変わり果てた姿をになっていた。
仲間の遺体は、まるで獣が食い殺したかのように喉や腹を裂かれ殺されていた。
仲間の一人が人狼が出たと怯え出した。
とある、紛争地帯のとある地域で、次々と兵士が殺されている場所があった。小隊レベルで姿を消し、または殺された。犠牲になった隊員は、今のように鋭い刃物でまるで獣に食い殺されたかのようだったらしい。いつからか、その地域にはLycanthrope(人狼)がいると恐れられた。
大切な組織の資産を失うより、自らの身の危険を感じていた。
人狼がジャミングするものかと恐怖にふるえる仲間に檄を飛ばした者がいたが、喉を掻き切られ、はらわたを抉られて殺されているのが発見された。驚いた表情で事切れており、壁や床にまるで残虐な光景を彩るアートように血を撒き散らしていた。
それは、彼らにとって、気配も姿もない故に得体の知れない化け物…人狼がいる証明になっただろう。
気がつけば、彼以外の誰もいなくなっていた。思えば異常を感じた時点で手遅れだった。交代に向かったはずが、前任者は戻らなかった。おかしいと感じ、動き出した時点で、巡回者も見張りもいなくなったか、殺されていた。
女の趣味の話で少女趣味だと話していたあいつはいなくなった。とある戦場で一緒に現地民に得点をつけて遊んでいた奴も殺された。どいつもあいつもこいつもいなくなったか、殺された。
最後に残った彼は、恐怖のあまり逃げ出した。
命乞いするものを嘲笑い、暴行、略奪、拷問、陵辱などのおぞましい行為を嬉々として行なってきた者が、自分が獲物になる番となった。
だか、彼らのやったことに比べれば苦しみは足りないだろう。
涙を浮かべ、鼻水をたらしたくしゃくしゃな顔の恐怖でみっともない姿で逃げる彼に天井から、何かが覆ってきた。そして、彼は喉を裂かれた。




