事の顛末
少年は夢現のようなぼんやりとした意識中で敵の動きを察知して、無意識に動く冴えわった感覚で動いていた。
その戦い方は機械的というより、荒々しく、野蛮だった。銃殺の他に、壁に頭を叩きつけられて潰れたトマトのようになり絶命した者、喉をライフルの銃口を槍みたいに使って刺突されたことで致命傷を負った者、顎下の柔らかい部位にペンを突き上げられた者、シンプルに首を蹴り折られた者など凄惨な状況であった。
警備にあたる戦闘員、医療関係者や研究員などの非戦闘員を虐殺同然に殺された正面の玄関ホールと打って変わった様相だ。
凄惨な光景は珍しくないエレンらは、眉ひとつ動かさず冷静だった。到着後、迅速にクリアリングしつつ、生存者の救出を行い、怪我人に保護を行なった。
結果として、少年は虫の息だった。戦いを目撃した者からは化け物のようだったと怯えながら証言をしていた。丸腰同然でライフルで武装した12人を皆殺しにした結果だろう。しかし、その代償は彼の命だった。致命的に外傷に自壊同然にかかった身体の負担、発見時にはかすかな意識こそあったが手の施しようがなかった。
法的に死亡判断ができるのは医師ではあるが、外傷だけでも脳挫傷、銃傷、切創、刺し傷、打撲、骨折と粉砕骨折…他様々なケガを負い、急所を負っている部位になおかつおびただしいほどの出血をしている。
手遅れなのは明らかであった。そして、彼女らはそういったものに見慣れており、経験上で理解していた。
映画と違い、彼のことを諦めずに安静にするために喋るなとは言わない。エレンが彼にできることは看取り、そして、最期の言葉を聞き取ることだ。
お互いの目があった時に心が通じ合ったかのようにすべきことがわかったようだった。
少年のもはや力無く絶えいるような声を聞き漏らさないように口に耳を近づけて聞き取る。
耳も聞こえるかも怪しい状態だった。だが、
「了承した。安心しろ確約する」
その力強く答えた言葉は彼に確かに届いた。
微かなうなづきと微笑みを残し、彼は逝った。




