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懸念事項

「社長サンもうすぐ着くって」


「わかりました。とりあえず死屍累々ですが、こっちは片付きましたね」


 ジェーンの服装は紺のブレザーにスカートという、学生制服風の服装にフルオートショットガンという組み合わせだ。フィオナからもドローンで敵影はないとの報告を受けた。


「いや、殺してないし…一応元軍属よ…殺すなの命令は守る…よ…」


 低致死性弾、いわゆるゴム弾の掃射。無論、低致死とあるように当たりどころが悪ければ大事であるが、今回死者はいないようだ。


「さて、残る問題は一つですね…元米軍スプーナー少佐。ご同行願えますか?」


 彼女はスプーナーにリボルバーを向ける。それに倣うようにジェーンもショットガンを彼に向けた。


 タチアナが二人組をホールドアップして人質にしているあいだに下手に動けない状況でスプーナーは出し抜こうとしたが、ジェーンが割って入り阻止した。 


「いや!!マイッタネ!!これは!!マフィアの銃殺ショーが始まったと思ったら…コレだ。日本ではJKの殺し屋が流行ってると聞いたが…」


 諦めたように地面に拳銃を置こうと腰を屈める。しかし、顔は正面を向き周りの警戒している様子だった。



そして、拳銃を地面に置いた瞬間に膝を曲げ、体勢をさらに低くして、地面を蹴り正面にいたタチアナにロケットのように突っ込んだ。


 突然の出来事であったが、タチアナは瞬時に頭を狙い発砲する。スプーナーは両腕をボクシングのガードのように腕をL字に曲げて覆っていた。弾は右腕に着弾し、金属音と共に弾かれた。


 スプーナーは、手が届く距離まで接近していた。左手でリボルバーのシリンダーを万力のような力で掴み、次弾の発砲を許さなかった。残る右手はタチアナの元へすさまじい速さで伸びる。殴打か、銃を奪うか、掴まれて技をかけられるかどうであれ、防がなければ致命的だ。


 右手が届く寸前にスプーナーの右腕めがけて左腕を振り上げて弾く。この距離での銃の使用は悪手であるとばかりかに躊躇いなく銃から手を離し、スプーナーの左手ごと銃を蹴り飛ばした。リボルバーは、あさっての方向に飛ぶ。蹴った勢いを利用し、バク転の要領で、身体を後ろに反らして飛び、地面に右手で手を着いてバネにして地面を押して勢いをつけて、クルンと回って足から着地する。


「ジェーン!!」


 タチアナの声を合図にゴム弾を連続で発射する。


 近くにあるスプーナーの銃を拾われるのを止めるべく、発砲した。スプーナーの左肩、右脇腹に着弾し、さらに拳銃にもあたりどこかに飛んでいった。


「弾切れか…」


 ジェーンは近くにあった作業台にショットガンを置く。


「仕切り直しだけど、こちらはか弱いレディ二人、卑怯とは言うまいね。坊や」


 ジェーンの軽口にスプーナーは応える。


「かわい子ちゃんにモテて困るが、もう少し大人になってからだ。話はそれからにしてくれ」






 



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