蹂躙
遊んでます。
俺はどうやら置いて行かれたようだ。まぁ思考が若干フリーズしていただけだろう。
「ま、この程度どうとでもなるし」
撤退が完了した後、ポテチを食い切ったので、適当なブラックホールにぶっこんでおく。
「さ、行くか」
スタスタと歩きながら、空中に出現したコロニー群を眼前に捉える。
「大結界」
砂浜と、コロニー全体をそこそこ強力な、まぁ火星程度が落下しても傷一つつかない程度の結界で覆う。
一般人からすれば、表しようもないほどの数、表現するならば空を黒く埋め尽くすような、であろうか?そんな数の人間を食料として食らえる程の巨大な虫の群体が空から襲ってくる。
それは蜂であったり、蝉であったり、蜻蛉であったりする。
「テメェらは今、『何故こいつはこんな馬鹿な事をしているんだ?』だとかそんなくだらない感想を抱いている事だろうが、教えてやろう」
虫共が耳を傾けている。こいつ等はどうやらそこそこの知性があるようで、こちらの意思をくみ取る事が出来るようだ。
「ほんちょっとの善意と、自尊心と、そして何よりも、何よりもだ」
「その俺を見下したような、まるで俺を『弱者』だとでも言うような複眼の中にある嘲笑うような感情が気にいらねぇんだよォ~!!」
あの俺が登場してきた時の、こいつらのまるで道端で騒いでいる中学生共を見ているような目がすっごく気に入らなかった。
まさか虫に見下されようとは思わなんだ。思ったよりもカチンってきたのでぶっ殺す。
まぁ先ほどのセリフが合図になったようにとびかかってきたんですがね。
「飛んで火にいる夏の虫っつーのはこういう事をいうんだろうなぁ~~~」
大結界をボイラーのようにして熱を溜める。
熱は蓄積を開始し、気温は毎秒1度のペースで上昇を続けている。
「ンッン~もう少しで海水が蒸発しはじめるぞぉ~」
無論その中でも攻撃は続けられている。蜂の巨大な針を回避し蝉の超音波をはじき返し、噛みつきを直前で止めながら耐久している。
そろそろ虫もヤバいと思ったのか、コロニーから出てくる虫の量が圧倒的に増加し始める。
「やっぱやめた」
気温を元に戻す。大体27度程度であろうか?
「シンプルに叩き潰す方針で」
右手には大剣、というにはあまりにも巨大で、無骨で、棍棒と言っても差し支えないモノを握り、左手は魔法陣を刻む。
「文字通りにな」
右手の大剣で周囲を薙ぎ払う。それに一瞬遅れて虫の残骸がありとあらゆる場所にまき散らされる。
「物理に強い、再生力が高い、それだけで物理を完全に防いだ気になっているとはひっじょ~~に滑稽だなぁ……」
再度大剣で薙ぎ払う。今度は空中を。
空の虫がバラバラに、破片となって落下してくる。
「こんなにも脆いのに」
戦闘描写相変わらず下手糞で笑える。