拉致されてた
「うぅむ。知らん天井だ」
テントで寝ていたはずがいつの間にか病院の中みたいな真っ白な天井が眼前に広がっていた。
「流石に寝てる最中能力切ってるのはまずかったか」
まぁ並の恒星が直撃してもどうとでもなる程度の防御力があるが、はっきり言ってそれじゃ軟弱すぎる。
うちのキラーマシン共は人型でも銀河ごと消し飛ばせるからな。量産型機でもそれだしエース機なんて考えたくもない。
「うぅむ。にしても」
微妙な壁である。生半可な魔法障壁なんぞこちらからしたら履歴書を提出しているようなものだ。魔力の質、張り方から大体の事を特定できるのだからな。
「なんでこんなに敵意がムンムンと漂ってるんですかねぇ。僕は悲しいよ」
初対面の皆さんに敵意を向けられるなんて悲しいぜ。全く。俺のウズムシのようなメンタルが傷ついたらどうするんだ。
状況としては周囲に多数の武器を持った人間が存在し、おそらく上部に攻撃的な兵器、地下になんかの爆発物があるようだ。どれも俺は傷つけられる程の威力はないが、穏便に解決できるならばしたいものである。どうしても無理なら殲滅するが。
「お前は何者だ?」
なんかスピーカーから声が聞こえてくる。特定できないように様々な音声に分けているが、まぁ全て一つ一つの音声と抑揚を抑える事でどれが本物の声か見分ける事が出来るがな。
「先日ぶりかねぇ?ロリっぽい名前知らない人。まぁいいや」
識別の結果あの俺を連れて行ったロリと判明した。はっきり言ってすごくどうでもいい。周囲の奴の殺気が高まったのが問題だろうか?
「何者っつっても説明が難しいが、最強の生命体、とでもしておいてくれ」
「御託はいい」
「ふむ、じゃああらゆる状況にて全ての事象に対し有利を取れる、とでも説明した方がいいか?」
あながち間違いではない説明をする。正確には有利を取れる、なんて生易しいものではなくあらゆる事象を無視出来る、と言った感じだが。
「……ならば貴様の倒し方は?」
「知らん。結構前に自分の体内で核爆弾10発くらい炸裂させても普通に死ななかったし。ブラックホールにダイブしても普通に生きてたし。食事も睡眠も必要ないしなぁ」
頭を掻いて死ぬ方法について考えるが、あらゆる死に方に対処方法が浮かぶので困る。
「それに一回死んだとしても誰かの記憶に残ってればそこから一瞬で再生できるしなぁ。不特定多数に目撃された時点でもういくらでも復活できるわけよ」
「……かかれ」
その言葉を合図に周囲の50人ほどの戦闘員がこちらに向かってくる。
「倒れろ」
全員がズドン!と激しい音をたてて地面に転倒する。
「寝てろ」
そしてそのまま眠り始める。さて、どうするか。ベッドの上に座ってるのもいい加減飽きたのだが。
まだ届かなかった。あともうちょいのはず。




