天津神と国津神(2)
一つの目的に向かって進み始めます
国津神の最強は、やはり、大国主命、武神であり、国津神達を纏めあげている。
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建御名方神に
頼んでみるか と中司優介は、考えが至った。これも優子と共に気分転換に出掛けた賜物と優子に感謝する。
たしか、諏訪大社だったな、と自分の記憶を辿り、長野県の諏訪大社に出向くべく、動く事を決めた。
建御名方神
大国主神と沼河比売(奴奈川姫) の間の御子神と言われている説もあります。
古事記と日本書紀での扱いが大きく違い。竹内文書でもその扱いが大きく違います。
長野県の諏訪大社を始め、全国の諏訪神社に祀られており、長野県の諏訪大社の御神体は裏に鎮座する守屋山となっています。
優介は、優子に諏訪神社に建御名方神を訪ねに行くと言った。
優子は、一日、待って欲しいと返答し、
「今ね、野間さんから電話で書類が、揃ったから事務所に来て確認して欲しいと連絡が、あったの。野間一人、覚えてる?」
「あぁ、弁護士の人だろ、父親の親友だった人だよね」
「嬉しい、覚えててくれたんだ。でね、今日手が空く?」
「見ての通り、いつでも手が、空いてる」
「だよね~。一緒に来て欲しいんだけど良いかな?」
「断る理由もないし、護衛しないと心配だからな、何処かで食べ過ぎて腹を壊されると面倒だし」
皮肉を初めて口にした。心の中で(ざまーみろ、俺だってたまには、反撃するぞ)と優介が思った。
「【心配】だなんて、愛されてるわ、わ・た・し」と両手を叩いて飛び跳ねた。
優介は、最後の皮肉、聞いてないのかよ、最後までちゃんと聞けよ! 音に成らない声で叫んでいた。
「今から良い?」
「いいよ」と、少し凹みながら答えた。
2人は 梅田の高等裁判所の近くにある野間先生の事務所に向った。
事務所は こじんまりとしていて小さなビルの3階にあった。中へ入って事務員に名前を言うと直ぐに先生の居る部屋に通された。
優子は、説明を受けながらそれ等の書類に目を通し 捺印して完了した。
内容は、相続税で端的に言うと現物で清算する物納と言う形を取る事で決着したらしい、優子の父親のこれも親友であった税理士が便宜を図ってくれたらしく家屋対象としては かなり安い税金額になったらしい。因みに税務署の偉い人も父親の親友だったらしく、その3人は、葬式ですでに方向性を決め、親友の残した一人娘の擁護を決めていたらしい事を優子から聞いた。
優介は、持つべきは、人も神も妖も繋がりだな と一人大きく納得し、封書にあった【結】の意味を理解し、兄の力とその頭脳の高さを再度、痛感し、【結び】か と 独り言を言った。
帰りに梅田で少し買物をして事務所兼、現自宅に戻り 諏訪神社へ行く準備を2人で始めた。
準備が、終わると 優子は、インターネットで何かを探している。優介は、パソコンの画面の裏側から諏訪インターのレストランの馬刺し定食や丼、美味しいよ。とプチ情報を教えてあげると
「あっ それGETで! まず、一食ね」にっこり笑った。
テレビの天気予報を思い出した優介は、車のタイヤをスタッドレスに履き替える事を思い付き、
「この時期、凍結の危険が、あるからタイヤを買いに行こうか?」
「そうだね、行こっか。ついでにCDも欲しいし、優介の好きな音楽も聞いてみたい」
「じゃ、ついでに荷物を少し、トランクに入れて行こう」
2人は、キャリア2つを持って事務所兼現自宅を後にした。
大型のタイヤ販売店に着くと2階は、CDショップとレジャー用品、100円均一等の店が、入り、モール化した建物で 1階にカー用品の店と工具、裏に回ると大型スーパーになっていた。
GT500を表にタイヤが、積み上げられている店の駐車場に乗入れ、2人は、店に入って行った。
2人で店内をぐるっと一周し、優介の持つ結界の力で邪気を薙ぎ払い、
「浄化出来たよ」と優子の耳元で囁いた。
「安心だね」と相変わらず俺の二の腕を両手で挟んで俺の顔を見てにっこり笑った。
優介は、店員にフロント265-40ZR19 リア285-35ZR20 に該当するスタッドレスが、欲しいと言うと 店員は、車種は、何ですかと聞いてきたのでシェルビーGT500 と伝えた。
店員が、カウンターに駆けて行き、タイヤの該当表に目を通し、これ持っていきますと同僚に声を掛けて俺達の居る場所に駆けて来た。
「御待たせしました。MICHELIN X-ICE、GOODYEAR ICE NAVI6 等は、どうでしょうか? でもいずれもリム径を変更し、偏平率を上げる方向でないと装着は、出来ません。ですのでホィールとのSETになってしまいますが」と言う。偏平率の事は、覚悟していたので優介は、
「それで良いよ、合いそうなホィールを5種類選定して見て欲しい」
「こちらへ」俺達を誘導し、「この奥に並べられている10種類は、大丈夫です」と言うと
優子が、走って行って「うーんとね、あの車には、これか、これ、どっちかだよ」
また、勝手にと思いながら行くと、確かに合うかも知れないと彼女のセンスに驚き、
「どっちにする」と聞くと、「うーん・・・」真剣に悩んでくれている。
と、「やっぱり、これ!」と比べてるホィールの上に陳列してあったのを指刺している。
優介は、やっぱりな、そう来るのが、こいつだな と思い。
「じゃ、これで。タイヤは、MICHELIN の方が、コンパウンドが柔らかいので MICHELIN の方を」
「解りました。車は、そうですね、3番のピットに入れて下さい。私はそこのカウンターで見積書を作っておきます」と言い、ピットに向かって「ゼロサン、車はいりまーす」と声を掛けた。
優介は、車を入れ、カウンターで支払いを済ませて優子に
「一時間程、掛るそうだ。CD見に行こう」と言うとまた、優子が、二の腕を両手で挟んで引っ付いてきた。
CDショップでも優子に振り回され、CD5枚を買い込み、店を出てモール内の店でお茶をしながら、CDのアーティストのうんちくを言う。
一時間が、過ぎた頃、店内放送で呼び出しがあり、装着が完了したので2人は、タイヤショップに向かった。カウンターに行くと先程の店員が出て来て車のキーを差出し、ありがとうございましたと礼を言いピットへ案内された。車のバックシートにビニールが、掛けられ来る時に履いていたタイヤが、乗せられていた。
俺達は、車に乗り込みエンジンを掛けるとピットから出て店の外へと向かった。
ガレージに着いてタイヤを下ろし、時計を見ると午後8時を回っていた。
「遅くなったが、荷物を運び込み出発しようか」と言うと
助手席でCDの包装を解きながら「荷物ならもうないよ、いつでも出発OKだよ」と返事が返って来たので俺達は、諏訪大社に向けて出発した。
スタッドレスに履き替えた GT500 は、さすがに腰から下が、ふにゃふにゃしていてまるで旧車のアメ車に乗っている感覚だ。
「前より乗り心地良いね」優子は言う。
「でも これじゃアクセル踏めないね」
「良いじゃん、ゆっくり行こうよ。前に大洗磯前神社に行った時、初めて長距離乗ったけど、他の車をびゅんびゅん抜いて行くからちょっと怖かったよ」
「優子、お前も免許持ってんだろ」
「持ってるけど あれは、携帯買う時に便利だから取っただけだよ。それにね、AT限定なのだ」
偉そうに言っている、
GT500は、吹田インターから名神高速を北上し、「飲み物買いに行く」と優子が言ったので 大津インターで一旦停車した。優子は、売店でコーヒーと紅茶、チョコレート等の菓子を買い漁り ビニール袋を振りながらOKと言いながらこっちへ歩いてくる。俺との距離は、30m前後だ。
俺はそれを眺めながら建物の外でタバコを吸っていた。
優子に帽子を被った男が、近づき帽子を取って礼をした。
俺は、慌てて駆け付けようとしたが、その男は、腕を水平にして掌をこちらに向け、静止の合図を送るとこちらをみて再度、礼をした。顔を上げるとにっこり笑い、
「どちらへ?」と尋ねてきた。
優子は、その男に向かって
「あっ、三つ目の兄貴だ~」と言って飛びついている。
俺は、ほっとして
「白雲さん、どうしてここに?」
「どちらに行かれるのか、気に成りまして」
「諏訪大社に武甕槌神に御願いがあって向かうところです」
「わかりました。我々は、あの白のダッジナイトロで護衛についています」
「ありがとうございます」と俺と天狐の白雲の話が、終わると
「何人いるの?」優子が、聞くと
「私を含めて5名ですが、」白雲が答える
「コーヒーで良い?それともお茶?お酒はだめだよ」
「え、、お茶で」
「一寸、待ってて」と売店へ走って戻って行く。
暫くして優子は、袋を2つ持って白雲に一つを渡すと
「護衛の任務、御苦労様です」と敬礼をする。
「差し入れを頂いたぞ」大きな声で白雲が言うと ダッジナイトロから4名が、降りて来た。
パーカーにサングラスをしてズボンに鎖をジャラジャラと着けた男が、
「嬢ちゃん、ありがとなー」
Tシャツにスーツを着た男が、片手を挙げた。
タイトスーツの女性が、お辞儀をした。
Gジャンに野球帽を被った少年が、
「優介の奥さんだったよね、ありがとー」
優子は、「そうだよー、奥さんだよー」と答えた。
白雲は、「優子さん、相変わらずですね、今の少年が、あの時の狐、青狐ですよ」
「あの宴会に来た、き・つ・ね・く・ん? で、全員、きつね、さ・ん?」優子が、驚いた。
優子は、この世界の自分の常識が、ことごとく崩れていく様な気がした。今まで会った人達は、本当に全員、人間だったのか、何者だったのか、優介と出会ってからこの現実が、現実なのか幻想、夢なのか解らなくなった。とたん、こんな戦いの中で優介が、居なく無くなったらと考えると今まで以上に愛おしくずっと身体を抱きしめたり、抱き締められたりしたくなった。
「じゃ、優介さん、ここから先は、電話で連絡を取りたいと思います。この様に我々も共に行動している事をちゃんとわかって頂きたかったので、ただ、今まで機会が、無かった・・・では、これにて」
と、言うと姿が消え、ダッジナイトロの横に姿を現し、5人は、頭を下げた。
「優子、行くぞ」優介の声で我に帰った優子は、走った。走って優介に飛び付いた。
優子の目から涙が出て ほほを伝わり、優介のジャケットへと染み込んで行った。
優子は、嬉しかった、そこには、何にも変えられない気持ちがあった。
優子は、この【気持ち】を信じきろうと心に誓っていた。




