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「沖縄サンフラワー高等学校のような、ずさんな運営をしてる通信制高校が多いのですか?」

「多いのだ。学校法人立、株式会社立を問わず、日本における私立広域通信制高校のほとんどが、学校運営、施設、教育内容、宣伝において極めてずさんな状態にある。沖縄サンフラワー高等学校が三波学園高等部に学校業務を丸投げしていたように、地方施設へ学校業務を丸投げする実態があるのだ。

 本校を設立したら、あとは地方に怪しい施設を設置して、実質的な学校業務を地方に丸投げしているのだ。サポート校だか、学習センターだか、分校だか、協力校だか、地方キャンパスだか、サテライト校だか、技能提携校だか、なんだかしらんが、自分で運営するなり、民間教育施設と提携するなり、外部の会社と提携するなどしてな。これらのほとんどが、無認可の施設だ。各種学校や専修学校、行政から認められた技能連携校の場合もあるが、審査が甘いので、事実上、建て放題になってしまっている。

 その施設の大半が、自己所有でないビルのワンフロアを間借りしただけだったり、繁華街や風俗街などといった教育上好ましくない地域に設置されている。教室が狭すぎて生徒がすし詰め状態になっていたり、体育のような実技教科を行うのが困難な状態になっているのだ。

 教育内容に関しても、大変極めて低い状態にある。本来ならば、本校の教員しか行うことができない学校業務を、地方の教員へ丸投げしているのだ。面接指導や、レポートの作成や添削、単位認定や試験、成績付けなどが地方で完結してしまっている不適切な状態にある。

 地方の教員の質は、悲惨の一言に尽きる。無免許の教員がかなり見受けられる。たとえ免許を所持していたとしても、その免許の教科外の授業まで行っている場合がほとんどだ。文系の免許しか所持していないのに、理数系の授業をしているなどといったケースだな。行政から臨時免許状や特別免許状を不正に発行してもらい、無免許の人物を教員という身分に仕立て上げていることもある。灰谷さんが臨時免許状でインチキ教員になっていたようにな。これは犯罪だ。

 教育の質も確保されているとは言い難い。肝心のレポートは、問題集からのコピーであったり、設問のほとんどを記述式ではなく選択式にしていたり、学習指導要領に沿わずに授業を行うなど、劣悪な状態にある。レポートの持ち帰りを禁じて、自宅で行う課題を出さないという、通信制高校といえない状態になっている校すらある。

 レポートの添削もずさんだ。マルとバツをつけるだけで、設問の解説をしないといった有様だ。

 普段の授業も悲惨だ。先ほど述べたのだが、教員の能力に問題がある。教員が授業を理解しておらず、教科書を読むだけで精一杯で、授業を行えないのだ。

 単位の認定に関しても甘い。本来ならば単位として認められないような試験を行っていることもある。試験を行わず、生徒に自由に提出物を出させて、それを単位として認めていたりするのだ。

 法的な問題をクリアするために、集中スクーリングと称して、本校へ行く場合もある。本校の教員による面接指導だな。これも滅茶苦茶だ。年に数日だけ本校へ行き、本校の教員が短時間だけ授業をして、これで法的な問題をクリアしたことにしているのだ。本校へ行ったときに、一時間だけランニングして、これを体育の単位としてしまう凄まじいケースすらある。

 卒業要件である三十単位時間以上の特別活動を満たしていない学校も見受けられる。

 生徒の個人情報の管理状態も悪く、生徒に無断で民間教育施設と勝手に共有したり、ずさんな管理下に置かれているケースが多々ある。

 とどのつまり、教育になっていないのだ。私学とはいえ、曲がりなりにも公教育を担っているはずなのだがな。

 そして、どの校も例外なく高額な学費が掛かる。本校と地方の施設の両校に学費が必要で、年間百万円以上かかるのはざらだ。凄まじいケースになると、本校と地方施設の両校を運営する母体が同じで、まさに、学費の二重請求になっていることもある。入学後に高額な教材を購入させたり、ナントカコースを選ばせて、さらに学費を請求するなど、もうメチャクチャだ」

 私は自分の目で垣間見た、三波学園高等部を思い返してみた。風俗街にある雑居ビルのワンフロアを間借りしただけの教室、灰谷とかいう教員モドキ。私は実際に授業は受けていないが、先生が見つけた証拠――中学生の問題集からのコピー――を見れば、あそこでの教育内容は想像が付く。

 このような劣悪な教育施設が日本全国津々浦々にあり、そこで劣悪な教育が日常的に行われているのだ。

 三波学園高等部の宣伝も思い出した。派手な宣伝をしていた。教育内容、卒業率、合格実績など、詐欺まがいの宣伝を行っていた。

 スマホを操作して、複数の私立校広域通信制高校のホームページを見て回った。どこもかしこも、三波学園と似たような宣伝文句を並べている。

「先生、どの広域通信制高校も異常な宣伝ばかりですよ。全体的に、高い卒業率をウリにしていますね」

「九十五パーセント以上の卒業率ばかりだな。卒業率がウリになる時点で、なにかおかしいのだがな」

「これもトリックですよね?」

「どこも数字のトリックや、インチキ表示を行っているのだ」

「卒業までのハードルを下げ、単位制を悪用して、退学処分を行わない、でしたね?」

「そうだ。それと、あとひとつある」

「幽霊生徒ですね。退学しそうな生徒に、名前だけ在籍させる手段ですね」

「覚えがよくて助かる。ほかのトリックや宣伝も問題だが、この幽霊生徒問題は大問題なのだ」

「そんなに問題なのですか?」

「通信制高校という範疇に収まらないほどだ」

「社会的なレベルですか?」

「税金を納めている人間全員が被っている問題だ」

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