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ダイバーシティ・ジャパネスク  作者: 月美 結満
ダイバーシティ制度
13/24

八月十五日♤

その部屋には、主張の強い円形のベッドがある。


黄色い花をモチーフとした寝台には、円形のベッドマットと掛け布団が敷かれていた。


ほんの少し頬に幼さが残る彼、カヤは、寝台に腰をかけ、布団を撫でる。

そして横たわり、目を瞑った。


扉の開く音がする。

ゆったりとした足取りで此方に向かって来る。


ベッドが軋むと、カヤは右隣りの気配を感じ取った。


その気配は温柔な声で言う。


「ねぇ、寂しい?」


カヤが顔を横に向けると、砂糖菓子の様に甘い顔の少女がいた。


「勿論。サトーは寂しくないの?」


「寂しいくないっていったら嘘になるかも」


サトーはカヤの頬に指先を置いた。

カヤはサトーのその腕を撫で、手首を軽く掴み、距離を詰める。


どちらからともなく、互いのおでこを合わせた。


サトーは言う。


「このベット、まだ香りが残ってる」


クローゼットの中も、小さな本棚も空っぽで、床はピカピカに磨かれている。

だけどこのベットだけは、まだ人の香りが染み付いていた。


そしてカヤはこう応える。


「うん。ダンテの香り。優しい香り」


サトーは微笑むと、カヤに身を寄せ、こう尋ねる。


「ねぇカヤ。寂しさを埋める方法、知ってる?」


「方法が分かれば、ここに来ないよ」


「それもそっか。じゃぁ、教えてあげる」


サトーはカヤの鼻先に自身の鼻先を軽くぶつけ、下唇を優しく喰む。


カヤは肩を跳ね上げ、目を丸くしたが、サトーの温もりを受け入れるのにそう時間はかからなかった。


この行為がナニモノなのか、充分に理解できる齢だが、知らぬ振りをして行為にふける。


身体がシーツと擦れる度、彼女が好きだった香りが立ち上がった。




カヤ 17歳

サトー 17歳


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