番外編 チームゆるい
「悠人がまた幼稚園へ行き出すキッカケを作ってくださって有り難うございます」
徹は、るいの母親に感謝を伝えた。
「とんでもないです。るいは幼稚園になかなか馴染めず、一人ポツンとしている日が多かったと先生が仰ってて。どうしたものかと心配と不安だったんです」
「今のるいくんから想像出来ませんよね」
「本来のるいの明るさを取り戻す事が出来たのは悠人くんのお陰なんです」
「うちの悠人が?ですか?」
「はい。るいが園庭でポツンとしていると悠人くんが手を引いて木の下に連れてってくれたそうなんです。日陰って涼しいよねって」
「僕たち2人の呼び方を考えない?って悠人くんが提案してくれたそうです」
「そう言う出来事が有ったんですね。全く知りませんでした」
「お忙しいので無理もないですよ。2人のチーム名が子供らしくて笑っちゃいますよ」
「どんな?」
「悠人くんの“ゆ“と、るいを合体させてチームゆるい。だそうです」
「あはははは!」
「可愛いですよねぇ」
「チームゆるいかぁ」
「チームを結成したからには幼稚園でできるだけ一緒に居ないとダメってルールが有るそうです。お陰でるいは孤立しなくなって幼稚園へ行くのが楽しいって言う様になって。本当に悠人くんの優しさに救われたんです。だから今度はるいが悠人くんを助けたいと言う。大袈裟ですけどね。大したことは出来て無いですけど」
「いやいやいや。ルイくんが居てくれなかったら悠人は転園していたと思います」
「転園?」
「はい。意地悪って言うか気の強いお友達にアレコレ言われた事がショックだったらしくて」
「圭太くんですよねぇ…。うちも上履きでガンガン太もも叩かれたらしく内出血して腫れ上がると言う一悶着があって…」
「うわっ。悠人だったらと思うと落ち着きません。大変でしたね」
「そうなんですよ。
でも悠人くんが止めに入ってくれて
大きな声を出してくれたそうなんです。
先生方の耳に入るように。
悠人くんは優しくて賢くて。
るいは本当に良いお友達を持ちました」
「そんな風に仰って頂くと有難いです。悠人の方こそ幼稚園へまた行ける様に導いてくださったるいくんママとるいくんには大きな感謝を感じます。何度も言う様ですが本当に、るいくんに助けられて感謝しています」
「これからも、どうぞ宜しくお願いします。あ、おチビたちの守備練終わりましたね。飲み物持って行きましょう」
「そうですね」
徹はリトルリーグの練習中に
るいの母親と話し
幼稚園での悠人の姿を知り
保護者同士の繋がりも大切だと感じた。




