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第2章 受け止める者 流したい者

「離婚したって、徹!」

「ああ、弥生がしたいって押し切るからさ」

「相談も無しに、徹アンタ」

「相談したって弥生は別れたくて仕方なかったんだ。色々譲歩案を出しても無理だったんだ」

「アンタがよっぽど何かしたんでしょう」

「仕事が忙しいから帰りが遅くて家の事は任せっきりっちゃ、任せっきりだったのは確かだけど」

「子育てって本当に大変なのよ!アンタ、休みの日に弥生さんの負担を軽くするとかしてあげてなかったの?」

「んーー。接待ゴルフもあったりするしなぁ」

「それじゃぁ、弥生さん1人で子育てしてたって事?耐えられなくなったんじゃないの」

「イヤ、そんな事は無いと思うよ」

「子育てにも家事にも協力的じゃなかったアンタが何言ってんのよ」

「いやいや、ホントホント。弥生には恋人が居たし」

「まあーーー」

「悠人の通ってるスイミングスクールの先生と」

「悠ちゃんは知ってるの?」

「んな訳無いじゃん。まだ幼稚園児だぜ」

「どうすんのスイミング」

「辞めさすよ、そりゃ」

「あ、あとさ母さん、申し訳無いんだけど悠人が幼稚園から帰って来て、俺が迎えに行くまで実家で悠人を見てて欲しくて」

「幼稚園バスはどこに止まるのよ?」

「家の少し先」

「悠ちゃんもアンタも私たちと一緒に住んだらどう?」

「家のローン払ってんのに住まないって変でしょ。それに悠人も来年は小学生だし。そしたら学童に預けるから今だけ」

「学童って...

預けなくても私たちが居るんだから頼りなさいよ!お父さんとお母さんだけで住むには広いし。悠ちゃんが居ると家の中が明るくなるし」

「悪いかなと思ってさ」

「何言ってんのよ!アンタなんか、そもそも帰り遅いんだから」

「まあまあまあ。仕事だからさ」

「悠ちゃんが居てくれたら奈緒も寄りつくようになるだろうし」

「毎月、悠人の子守代払うよ」

「要らないわよ!そんなお金が有るなら夏休みの旅行代積み立てなさいよ」

「積み立てなくても旅行くらい行けるよ」


徹の母親は悠人に淋しい思いをさせたくないのだ。

弥生に対して思う所は有るものの

今更、とやかく言うよりも悠人を守らねばと。

そして子育ての手伝いが出来る事が嬉しかったりするのだ。








「悠人君、スイミング辞めちゃったんだけど」

弥生の不倫相手の太田はベッドの中で弥生に聞いた。

「そうなんだ。辞めたんだ」

「え?知らない?」

「離婚したしね私」

「えっ...」

「悠人は父親が引き取ったの」

「そうなんだ...」

「元夫は私たちの事を知ってるわ」

「えぇ!」

「ふふふ。そんなに驚かないのー」

「いや驚くっしょ、普通」

「私たちの密会現場を捉えた写真突きつけられちゃって」

「はーーー...。慰謝料請求とかされたら、どーすんの!」

「一緒に頑張って払おう」

「あっ、もうこんな時間!シャワーしてくるね」

「行っといで」

太田は優しく微笑んだ。


パタン。

風呂場のドアが閉まる。




ヤバい、ヤバい、ヤバい。

訴えられたらマジでヤバい!


かーーー!

どうすんだ俺!

いーやっ、参るぜ!


「一緒に頑張って払おう」って、なんだよ!


詰んだな俺...


ダリぃ。



この際、弥生消えてくんねーかな...


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