第17章 言えない 知りたい
「って感じで、ゆぅちゃんには言ってあるから
周知よろしくー」
奈緒は家族のグループLINEへ昨晩の話しを共有した。
「奈緒、有難うな。多分、俺では聞けなかった悠人の気持ちだと思う」
「まあ、幼稚園でそんな事があったのね。一緒に住んでる私たちには心配かけまいと黙ってたのかしら」
「奈緒は昔から友達の気持ちを聞き出して解決したりしてたかなぁ。悠人と同じ目線で根気良く話してくれて感謝だ」
徹や祖父母が思い思いの気持ちを返答した。
「とりあえず、ゆぅーちゃんの気分は少しは晴れた筈。でも、大人の中で育ってるからか
妙に気持ちを調整している感じもするの。言った言葉が全てでは無いだろうし無理してたり我慢してたり、聞きわけの良い子になろうとしてる感じも見受けられるの。
我々、大人がゆぅーちゃんの子供らしさを引き出さないといけない様に感じた」
「念頭に入れつつ今日もゆぅーちゃんファーストで行きましょう!!」
「そうだな」
「そうよねぇ」
「我々もいつまでも元気では居れないだろう。今を精一杯楽しませてあげんとな」
徹は悠人と過ごす時間の少なさに歯痒さをかんじでいた。
が、片親で育っている子供は世の中にごまんと居る。
悠人は恵まれている方だ。
分かっている。
他所と比べてはいけない事など。
ニュースでスキャンダラスに報じられ
余計に傷付いただろう。
ただ、
男の子なら、もう少し強くなって欲しい。
パパ大好きと言うなら、もっと甘えてくれ。
悠人に求めてばかりで
いかに悠人に甘えて貰えるかを考えられていない徹だった。
悠人たちはスマホで見たパンケーキ屋に居た。
「悠人、楽しみだな。ワクワクするな」
「うんっ!」
「ここのパンケーキ屋の味を覚えておくんだぞ」
「わかった!」
「日本に帰ったら、どっちが美味しいか吟味しないとだ」
「ぎんみ?」
「味を比べるって事だ」
「ふーん」
「何だよ、その、ふーんって」
「なんか…パパ変」
「何がだ」
「なんか」
「だから何がだって聞いている」
「もー、お兄ちゃんったら、そんな聞き方したら答えずらいじゃん。ねぇ、ゆぅーちゃん」
見ていられず奈緒が言った。
「ゆぅーちゃんは思った事、感じた事を言えばいいんだよ。考えるのはパパの仕事だもんねっ。親なんだもん、子供の事考えろってねっ!」
「なぁーちゃん…」
「あはははは!困った顔がアンタ等、親子だねぇ!そっくり!」
徹と悠人は目を合わせた。
そして笑った。
「僕の顔、そんな顔してるかなー?」
「何だよ悠人!パパの顔が変なのかよー」
「違くてー」
「パパの困ってる顔が面白いんだよねぇ、ゆぅーちゃん」
「なんとなく…」
「なんとなくかぁ笑」
3人で笑い合った。
「ゆぅーちゃん、沢山パパの変なとこ見つけたら言っちゃいなっ!」
「パパは変なとこ無いよなぁ」
「なぁ、悠人」
「なーんで何も言わないんだっ」
「だって……パパ、変なとこ結構ある」
ぎゃはははは!!!
奈緒と徹は笑ってしまった。
「なんで笑うのー!」
「ごめん悠人。パパ涙が出て来たよ」
「アタシも!マジでゆぅーちゃんの 結構ある にツボった!」
「悠人、パパは自分では全く分からないんだ、変な所が。気が付いた時に教えてくれ」
「怒んない?」
「ゆぅちゃん怒るわけないよ!変なとこ教えてくれて有難うなんだもん」
「そうだぞ」
「分かった!パパちょいちょいあるから僕が教えるね!」
「頼んだぞ相棒」
「あいぼー?」
「そうだ。悠人はパパの人生の相棒だ」
徹は少し悠人に対して
親と子で接するより
1番の仲間、親友
そんな風に接した方が
悠人らしく居てくれるのではないかと
思った。




