【第12話】ロマンスの神様
4人が話をしていると、突然小屋の扉が開いた。
全員がそちらの方を注目した。入ってきたのは天使だった。
「あ、いた!ちょっと!探しましたよ!」天使は、ずかずかと歩いてくる。
「なんだこんな所に」神様は嫌そうに言った。
「そんな迷惑そうにしないでくださいよ。隣の宇宙が戦争を仕掛けてきたんですから」
「隣?どっちの方だ?」
「ロマンスの方です」
「ロマンスの神様の方ならお前達だけでなんとか出来るだろうが」
「そうですが、戦いを始めるにはあなたの指示が必要ですから。1度お戻りください」
「嫌じゃ!ワシは今有給を取っているんじゃ!」神様はそっぽを向いた。
「わがまま言わないで下さいよ。いくらロマンスが相手でも無抵抗ならこの宇宙を乗っ取られますよ!」天使は両手を広げて説得する。
「・・・それは困る」
「そうでしょ?」そう言いながら天使がなんとなく視線を横に移すと茜が視界に入った。「君可愛いね。好きです」
「んえい!」神様は天使にアフロの呪いをかけた。
しかし、天使はその呪いを素早い動きでキャッチし、それをそのまま誰もいない方向へ投げた。
「あぁ!お前!」神様は投げられた方向を見ながら声を漏らす。
「私にそれは効きませんよ」
「あのアフロのやつはどうなるんですか?」カッパが聞いた。
「誰かに当たるまでは飛び続けます。当たった方は・・・お察しの通りです」天使は遠くを見つめながら答えた。
「なんて事を・・・。無実の人が」宇宙人は呟いた。
「さぁ戻りますよ。指示書にサインをし、天使たちに飛ばして頂ければそれでいいのですから」天使が神様の方に向き直り言った。
「仕方ない。茜ちゃん、すぐ戻るからね」神様はウインクした。
「はぁ」茜は興味なさそうに返事をする。
「あなたが茜さんですか」天使は少し目を見開いた。
「え?」
「すぐそこで、3人の地球人があなたの名前を呼んで探してましたよ」
「あ、行かなきゃ!」茜は扉に向かって駈け出そうとした。
「待ちたまえ」神様が茜を止める。「外に行くのなら雨を止めてやろう」
神様がパチンと指を鳴らすと雨が止み、外が少し明るくなった。
「すごい!ありがとうございます!」茜は神様にお礼を言うと飛び出していった。
神様は親指を立てて茜を見送った。
「カッコつけてないで行きますよ」天使がそう言って神様の腕に手を添えると、シューッという音が鳴り神様と天使は消えた。
宇宙人とカッパは、神様たちがいた場所を確認したが、特に変わった事は無く、何の痕跡も残っていなかった。
「コレ、もう戻んないのかね?」宇宙人はアフロを引っ張りながら言う。
「あ、本当だ。でも、神様は戻ってくるみたいだし」カッパは答える。
「そっか。じゃあ、雨も止んだし、この辺りの案内とかしてくんない?」
「うん。いいよ。滝とか洞窟とかあるし」
「おー!いいね!」
「じゃあ、ついて来て!」
カッパと宇宙人は小屋を飛び出して、周辺の洞窟や滝を目指して走って行った。
葉っぱに乗った水滴が風に揺れ、キラキラと光っている。
今回も読んで頂きありがとうございました!




