【第13話】「願いが叶う滝」に向けて
雨が上がり、雲間から日が射している。地面が少しぬかるんでいるが、石田と真由美は茜を探して森の中を歩いていた。
「どこ行ったんだあいつは」石田は額の汗を拭う。
「怪我とかしてたらどうしよう」思いつめた表情で真由美は言った。
「大丈夫だって。どこかで雨宿りしてたんだと思うし、雨も上がったからすぐに見つかるって」
「そうだといいんだけど・・・」
竹下と合流する為に2人が折り返そうとした時、声が聞こえた。
「おーい!みんなー!」
「茜!?」2人は声を揃えた。
声がした方向に向かって2人は叫んだ。
「あかねー!」
少し遠くの木の陰から茜の姿が見えた。茜は2人を見つけて小走りで向かってくる。石田たちも茜に向かって走った。
「茜!良かったー!」真由美はそう言いながら茜の両手を握った。「ごめんね!1人にしちゃって」
「ううん。私がちゃんとついて行かなかったから。ごめんね。心配かけて」
「どこか怪我とかない?」真由美は茜の足や腕を見ながら聞く。
「大丈夫」
「な、言ったろ?大丈夫だって。どこかで雨宿りしてたのか?」石田は言う。
「うん」
「結構降ってたからな」
3人が話をしていると竹下が歩いてくるのが見えた。
「あ、おーい!竹下!茜見つかったぞ!」石田が叫ぶ。
竹下が走ってきて3人と合流した。
「良かったー。探したんだぞー!」竹下は笑顔で言う。
「ごめ・・・。え、その頭・・・」竹下を見て茜は言葉につまった。
「さっき急にアフロになったのよ」真由美が説明する。
「なんかの呪いなのかな。マジで怖いんだけど」竹下は目だけを上に向けて言った。
「あ、それ神様のせいだよ」茜はアフロを見ながら言った。
「神様?」と石田。
「うん。神様とカッパと宇宙人がいてね」
「あんた頭とか打ったんじゃないの?」真由美が心配する。
「え、違うよ。本当に・・・」
「病院に行った方がいいんじゃいか?」石田が冗談ぽく言う。
「大丈夫。本当に。頭も打ってないし怪我もしてない!」
必死な茜の言葉に3人は少し驚いた。
「あ、えっと、私も夢見てたのかな?って思ってたけど、竹下君がアフロになってるから、これは夢じゃないんだよ」茜はトーンを戻して言った。
「俺のアフロと、神様とかカッパとなんの関係があるんだよ」竹下が聞く。
「神様が怒ってカッパと宇宙人の頭をアフロに変えたの。あと、竹下君も」
「待って!俺が何したんだよ。神様に俺何かした?」
「竹下君のは、偶然っていうか、たまたま運が悪かったというか・・・」
「何それ、運が悪くてアフロって」真由美は怪訝な表情で聞いた。
「信じて、貰えないかも知れないけど本当の事なの。うまく説明できないけど、私はどこもおかしくない。だから病院には行かない。私は滝に行きたいの」茜は3人を見た。
「・・・わかった」石田はふぅと息を吐いてから茜に言った。
「石田君・・・」
「信じなきゃ、こいつのアフロの説明がつかないしな!」竹下の頭をポンポンしながら石田は笑った。
「確かに」真由美も竹下の頭を見ながら笑った。
「俺も、滝には行きたいんだわ。このアフロをなおして下さいって願いたいから」竹下は石田の手を払いのけながら言った。
「そうね」真由美は笑ったまま言い「じゃあ、行こっか!」と滝の方向を指さした。
「うん!」返事をすると茜は歩き出した。
他の3人も歩き出し、4人は願いが叶う滝に向かって、また歩き出した。
今回も読んで頂きありがとうございました!




