第三十九話 ジョーダイだけが持つ『何か』!
箱根駅伝復路、七区。
八区への中継地である平塚まで、
残りの三キロメートル地点。
ついに、城西拓翼大学の
双子ランナーの弟・修太が、
ラストスパートをかける!
前方には、六区で逆転された
関東体育大学のランナーが見え始めた!
第三十九話 最高の弾丸コンビ!
シュウの好走に、
監督車にのる櫛部川からの檄も
当然アツくなる!
「聞こえるか!?修太!!」
シュウは前方の関体大を見据えたまま、
右手を軽くあげ、櫛部川に応える。
「よーし、そのまま冷静にいけよ!
いいペースだからな!修太!
いいか!今のレンとシュウは、
かつての『練習嫌いのレンシュウコンビ』
なんかじゃないぞ!
お前ら双子は、
ジョーダイが誇る最高の弾丸コンビなんだ!
あとは、ラストの一キロで、
弾丸らしく強豪校との壁を
ぶち抜いてやろうじゃないか!!
強豪校へ進学していった
附属高校時代の同期を見返してやれ!
ジョーダイのプライドを見せてやるんだ!!」
櫛部川監督の檄もあり、
関東体育大学との差は徐々に詰まっていく。
だが、
関体大もラスト三キロのスパート用に
しっかりと余力を残していたため、
あと約三十秒の差が縮まらない。
(去年の四年生なら、
今年の竹村さんたちなら…。
キツイ時こそ、絶対に諦めないで、
もう一度スパートをかけられるはずだ!)
シュウは、一度だけ、
ギュッと襷を握りしめて
覚悟を決めた。
そして、
これがジョーダイの
真骨頂だと言わんばかりに
怒涛の二段スパートを仕掛ける!
ジョーダイと関体大の距離が
さらに縮まる!!
関東体育大学のランナーは、
この状況に驚きを隠せない。
(なんで、去年最下位で
今年も予選会上がりのチームが
こんなに走れるんだ!?
一万メートルのタイムは、
俺たちよりも劣っているはずだ。
だが、ジョーダイは、明らかに
他のチームとは違う何かを持っている!)
ジョーダイだけが持つ『何か』。
それは、おそらく、
城西拓翼大学駅伝部の部員ですら
具体的に、
どのような言葉で表現してよいか
分からないだろう。
ただ、これだけは断言できる。
その『何か』とは、
駅伝を走るうえで、もっとも大切に
しなければならないコトであり、
目には見えないけども
確かに存在するモノなのだ。




