第三十七話 歴史を背負う覚悟!
ついに、
蓮太が関体大・迫水の前に出た!
(見てろよ!修太!!
ジャイアントキリングス起こしてやるよ!)
しかし、迫水の表情は変わらない。
(伸びしろはあるが、
まだまだ、練習不足だな…。)
七区のランナーが待つ
小田原中継場まで一・五キロ、
迫水、渾身のラストスパートが炸裂した!
第三十七話 歴史を背負う覚悟!
蓮太は迫水に全くついて行けなかった。
これが上級生との差なのだろうか。
いや、
それ以上に、
関体大にあって城西拓翼大にはない
決定的な違いがあった。
関東体育大学は、半世紀以上の間、
連続で箱根駅伝に出場している強豪校である。
『その歴史は絶対に守らなければならない!』
彼らは、日々、
そのプレッシャーを感じながら、
厳しい練習を乗り越えてきている。
これの積み重ねが
チームの歴史を背負う覚悟を生み、
苦しい所でも底力を発揮することが
できるのだ。
一方、
城西拓翼大学駅伝部は、
陸上部から独立して
十年足らずの歴史しかないチームである。
このような、
いわゆる新興校と呼ばれるチームは、
荒削りな部分が多い反面、
捨て身になったときの勢いは凄まじく、
強豪校を倒すような番狂せを
起こすこともある。
しかし、そのようなことは、
滅多に起こることがない。
実際のところ、
歴史の浅い新興校が、
名門校や強豪校らに
真っ向勝負を挑んだ場合、
接戦になればなるほど、
土壇場での粘り強さや
冷静な判断力の差により、
新興校が敗北を喫することが
ほとんどなのだ!
実際に、今大会の往路一区で、
最後に蒼太が順位を落とした理由も
これに起因している。
結果的に、城西拓翼大学は、
スタート時の順位と
変わらず五位であったが、
小田原中継場にて、
関体大に五十二秒の大差をつけられて
襷リレーをすることになった。




