第二十話 ライバル意識!
箱根駅伝、第二区中継地点。
鶴見中継所。
早稲田学院大学の
速水瞬がトップでのタスキリレーを
成功させてから、二分三十秒後。
ぞくぞくとランナーが
中継地点に飛び込んでくる。
一区終盤、六郷橋の坂で
体力の多くを消耗していた蒼太は、
速水との対決後に、
すぐに第二集団に追い抜かされた。
さらにその後方にいた
純天王寺大学にも遅れをとったが、
なんとか粘りをみせ、
区間七位で二区へ竹村に
襷をつないだ。
城西拓翼大学の
実力から考えれば、
この結果は、上々の滑り出しと
言って良いだろう。
しかし、速水との勝負に完敗した上に、
終盤、順位を後退させてしまった悔しさで、
蒼太は涙が止まらなかった。
第二十話 ライバル意識!
一方、第二区では、
ジョーダイのエース竹村が
襷を受け取った。
そして
その十秒後に、山梨国際大学の
留学生ランナーのオツオリにも、
襷が渡る。
すぐさま前方の竹村に
追いついた。
今年もオツオリのごぼう抜きが
始まるか?と思われたとき、
竹村はその横につき並走を始めた。
(何故、竹村は後ろにつかないのか?)
(大学トップクラスのオツオリに
無理をしてついていく必要はあるのか?)
見ている者からすれば、疑問しかない。
(もしかしたら、
何か特別な作戦なのだろう。)
そう期待する駅伝ファンも一部にいた。
しかし、竹村にそんなものは
一切なかった。
蒼太が速水にライバル意識を
燃やすように、
竹村もまた、オツオリには
絶対に負けたくないという気持ちを
内に秘めていた。
ただそれだけなのだ。
(今まで、こいつには何度も挑んできたが、
その度に弾き返されていた。
だが、最後の箱根駅伝はゆずれない!)
竹村は、並々ならぬ覚悟で、
このレースに臨んでいた。
彼らの並走は、第二区の中盤まで続いた。
結果的にこの並走が互いを上手く刺激し合い、
好タイムを維持することが繋がったのだろう。
気がつくと、二人は、
トップのワセガクの背中が見える位置まで、
順位を上げていた。




