第十八話 迫りくる強豪校!
蒼太と速水が先頭で、
鍔迫り合いを繰り広げる一方で、
後方で第二集団を構成する強豪校らも、
決して手をこまねいているわけではなかった。
互いに牽制はしつつも、
交互に先頭交代を繰り返し、
じわりじわりと、
先頭との差を詰めてきていたのだ。
ちなみにロードレースでは、
一人で走るよりも
集団で誰かの後ろについて走る方が
はるかに疲労は少なくなる。
先頭にいるランナーを
ペースメーカーや
向かい風を避けるための壁として
利用できるからだ。
強豪校のランナーにもなると
互いの利害が一致すれば、
一時的にこのような協力体制を
構築するのである。
第十八話 迫りくる強豪校!
先頭より一分離れた第二集団は、
総合優勝を狙える名門校や強豪校で
構成されていた。
駒ノ澤大学、中央義塾大学、明政大学、
そして、五区に山の神を擁し、
大本命となった東洋文化大学の順に
列を成している。
どのチームも、
いち早く先頭に追いつきたいのだが、
前にいる三チームは、それよりも
後ろにいる東洋文化大学を
引き離したいと考えていた。
そこで前の三校は、再び結託!
スピードを上げては落とすを繰り返し
後方の東洋文化大学をふるい落とすべく、
揺さぶりをしかける!
しかし、トップが見える位置で
今の順位をキープすれば、
五区での逆転勝利が可能であることを
確信している東洋文化大のランナーは、
無理をしてペースを変える必要はないと判断、
この揺さぶりは全く無意味と化した。
結果的に、
第二集団の前にいる三校は、
トップを走る蒼太たちとの
タイム差を三十秒まで縮めることに
成功したが、
一番差をつけておきたい東洋文化大学も
トップ近くまで運んでしまった形になった。
これにより、
箱根駅伝の優勝争いは、
山の五区を待たずして、
早くも東洋文化大学が
俄然有利となっていた。




