第十一話 冷静な判断力!
箱根駅伝予選会。
スタートとしてすぐに、
城西拓翼大学は、
集団走のフォーメーションを組んだ。
気温は高く、風も小さい。
(今年の予選会は好記録ラッシュに
なりそうだ。)
多くの人間がそう考えていた。
しかし、ペースメーカーの
諸星大吾(四年)だけは、
違う見解をしていた。
第十一話 冷静な判断力!
「気温が高すぎる。
脱水症状にならないか心配だ。
前半は飛ばしすぎず、
練習通りのペースで行こう。」
他のチームが飛ばす中、
諸星率いるジョーダイの集団走は
比較的落ち着いた入りとなった。
一方、単独走を任された
竹村と家村、郡司の三人は、
トップ集団の留学生から、
少し距離を置き、
第二集団を形成していた。
走力の高い留学生にリスクを承知で
勝負に行くよりも、留学生が見える位置で
好タイムを狙った方が
利口であると判断していた。
第十話 冷静な判断力
一方、他校は集団走でも
どんどんスピードを上げていく。
だが、諸星は動じない。
他校の選手を観察して
明らかなオーバーペースであると
直感した。
(次の給水地点が勝負どころだな。)
諸星はついに動く決心をした。
ジョーダイは、
夏合宿で給水を上手くとる練習も
十分にできており、
取りこぼしなく、
ジョーダイは給水に成功した。
全員の給水を確認した諸星の合図で、
集団は徐々にスピードを上げていく。
そして、脱水と疲労で失速する
他校のランナーを次々と抜いていった。
「竹村たちもいいタイムを出せてる!
さあ、ラスト三キロだ!
全力を出し尽くせ!!」
沿道の櫛部川監督から指示が飛ぶ!
集団走がバラけて、
ジョーダイ怒涛の全力疾走が始まった!
他校を圧倒し、
ジョーダイの選手が塊になって
一気にゴールする。
箱根駅伝予選会では、チームの
トップ十人の合計タイムによって
勝敗がきまる。
ジョーダイは、全チーム内で、
最初に十人目がゴールしていた。
もはや、この時点で予選会突破は、
確実であった。




