反抗のインベーダー 4
「ねぇねぇ、なんなの?どう扱えばいいのあれ?」
「結局どっちか分からないし、どっちで扱っても地雷っぽいのがなんともまた……」
「……あれ、絶対女の子だよ。おっぱいそれなりにあるし」
「でもあんなに口汚い上に自己申告で女の子じゃないって言ってるんだぞ?今回はたまたま否定したけど、普段否定するのは女の子ってとこだけだ」
「――!死神さんってもしかして女装――!」
「誰が女装男子だ」
思い当たった衝撃の答えに大きな声を出してしまったリィンは、振り下ろされた死神の鉄拳で言葉を遮られ、頭上に星を出してくらくらと目を回した。
「きゅう……」
「ったく、いいか。まず僕は女装男子じゃない。いいな?」
「は、はい」
「悠には前に言ったっけか。僕は元二重人格でな。つっても、能力の副作用で生まれた、本来の二重人格とは別物なんだけど。その二重人格の性別は女の子で、今はそいつと若干混ざっちまってるから僕は男でも女でもない。わかったな?」
「つまり死神さんは――」
「どっちでもない。というか、詮索するな。『わかったな?』」
「は、はい。よくわかりました」
「オッケー。んじゃ、さっさと行くぞ」
死神はえらくドスの効いた声を使ってリィンを脅す。
カタギなのかどうかすらに疑いを持たざるを得ないほどの声色に、二人は二度と彼女を怒らせないようにすることを心に誓った。
可愛らしい見た目の可憐な、不思議な雰囲気の少女というイメージを百八十度ひっくり返して、口の悪い小生意気な少女という、見るものが見ればそれこそ泡を吹いて倒れそうなほどの差異だった。
目の前の少女は、所謂残念女子というやつだった。
そんな二人の落胆など露知らず、死神は気だるそうにため息をつき、頭をかいて一人先を歩く。
結局彼女のことを深く知ることは出来ず、不毛に終わったのであった。




