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後遺症シェルショック

 薄暗い部屋の中。



 最低限の電灯すらちかちかと点滅し、いまにその全てが闇に帰りそうな部屋の中。



 聞こえる音は呼吸音、それとコンピュータの冷却装置から響く小さなファンの音。



 無機質な音が彼女の心を癒す。何故か。



 彼女、藍野沈希は呼吸を整え、喉を鳴らして声色をも整えるた通販で購入したビデオカメラの録画をスタートし、テーブルの上に置いた。



「映像記録第五十七回目。これは私の死後の為に残しておくものだ。……まぁ、何度も同じことを繰り返しているからこの辺りはその辺りで割愛することにしよう」



 沈希は足を組み、楽な体勢をとる。



「今回は彼、斎賀悠についてのレポートだ。斎賀悠。私が開発したデッドノートシステムの正式な装着員にして、唯一無二の共犯者。性格は極めて冷静、感情に抑揚が少なくいつもつまらなそうにしている、そんな者だ。前はもっと明るい子だったのだがね。責任は感じている。出来れば彼になにかしてやりたいのだが、私にその術はないし、なにより彼が何も求めない。どうしてやればいいものか……と、今はそのレポートではない。脱線してしまった。……そして、斎賀悠は私の唯一無二の患者だ。現在はたび重なる戦闘により、彼の精神は病に侵されている。病の名は戦闘ストレス反応(シェルショック)。戦闘衝動を駆り立てるのが斎賀悠の最も大きい病状だ。更に、彼は自ら(・・)戦いを求めている節がある。なにか、代わりの物を用意してやらないと彼の精神はいつか完全に崩壊するだろう」


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