表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
53/59

第四章 成長 第五十三話 写真

第四章 成長 第五十三話 写真


ある村の神社にある祠に、妖の女が住んでいた。


女は、自分が誰なのか、なぜ祠に住むのかさえ思い出せなかった。


ある時、村長が祠にやってきた。


女は、一生懸命に尋ねた。


しかし、村長は、声も聞こえず、姿も見えなかった。


また、分からなかった。


妖の女は泣いた。


毎日、泣いた。


暫くして、神社の祠から泣き声がするという噂が広まった。


村人達は、神社に近寄るのが怖くなり、神社は廃れていった。


このままではいけないと思った村長は、討魔庁に連絡した。


そして、陰陽師である神代レイカが派遣された。


中学生もいたが、見習い中とのことだった。


レイカは、この村の伝説や噂を細かく聞いた。


村長が言うには、この村は、今から、五十年前に、ハンセン病が流行ったという。


そして、ある民家に住む女性が、ハンセン病になり、その村の村人全員、その家を避けるようになった。村人は誰も女に近づかず、食べ物さえ届けなくなった。


村人は女一人になった。そして孤独死を迎えた。


女は、何故、自分が、こんな酷い思いをしなければいけないのか、村を呪った。


呪いの思いは、とても強く、そのまま妖になった。そして、妖は、神社の祠にまつわれることになった。


レイカと蒼也は、その祠に向かった。


二人は、祠に近づくと、妖に気付いた。


そして、先ほど、村長から聞いた内容を説明した。


妖は、全てを思い出し、二人に、成仏させてもらえるよう頼んだ。二人は頷き、除霊の準備をした。


成仏しようと身体が光に包まれた瞬間、一枚の古びた写真が静かに地面へ落ちた。


蒼也が拾うと、昔、愛していた男の写真であると女は言った。


二人は、妖を成仏し、村長に説明した。


その写っている男は、女の婚約者だった


当時、ハンセン病の差別はひどく、二人は引き裂かれ、結ばれることはなかったと村長は説明した。


レイカは、討魔庁に事件の概要を説明し、事件を解決した。


蒼也は窓の外を見つめた。


「病気ではなく、人が人を苦しめたんだね。」


レイカは静かに頷いた。


「だから、忘れてはいけないの。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ