第四章 成長 第三十六話 座敷童
第四章 成長 第三十六話 座敷童
はーい、みなさん、今夜のミーティングを行います。
席に着いて下さい。
前回、お母さんが討伐出来るランクが3級から2級に昇格しましたので、
お給与も、アップしました。これも、一緒に働いてくれた蒼也君のおかげです。
有難うございました。
パチパチパチ(拍手)
勿論、蒼也のお小遣いもアップします!一級にアップしたら、
もっとお小遣いもアップするので、一緒に頑張りましょう!
やったー!蒼也は喜んだ。
では、記念すべき2級の一番目の妖は、「座敷童」です。
あっ!俺、この家で座敷童子を見たことあるよ。
蒼也は言った
え?
父と母は、固まった。
蒼也は、産まれた時から、父と母よりも、妖力が高く、父と母には見えない妖が蒼也には、見えた。
お父さん、お母さんに言ったけど、忙しくて、相手にしてもらえなかった。
暫くして、座敷童子は出ていってしまったけどね。
その時、座敷童子は、全然悪さやイタズラしなかったから、放っておいた。
そもそも、我が家には、座敷はありません。
全部屋、フローリングであり、現れたらフローリング童子になります。
ということは、海外はフローリングがメインだから、
座敷童子は海外にいないことになる。
そして、調べたら、いました。
スコットランド、北イングランド、コンウォールに残る民間伝承上の小さな家精。「茶色さん」
むこうでは、ブラウニーさんと呼ばれるみたい。会うと幸せになれるそうです。
一方、わが家で貧乏神も見たことあるよ。
その時は、お母さんが、家計簿とにらめっこしてた。
貧乏神が出ていってから、お母さんは、にらめっこしなくなった。
でも、疑問点がある。この家は、結界がはってある。
妖は入って来れないはず。何故だろう?
過ぎたことは、仕方ない。
でも、今度から、座敷童子と貧乏神がみえたら、お父さん、お母さんに話して下さい。
と母は言った
うん...分かった。蒼也は言った。
母は言った。
話を元に戻します。
スマホから、討魔庁妖データベースにログインして、座敷童子を検索すると、
発生場所には岩手県がたくさん出てきます。
このため、私と蒼也は、明日、岩手県の座敷童子が現れる旅館に泊まります。
ここで注意して頂きたいのは、今回は、座敷童子が出ても祓わないことです。
座敷童子(わが子)に会いたいという観光客が沢山いるのに、座敷童子が現れなくなってしまったら、
旅館の死活問題になるからです。
祓わずに、若女将と討魔庁に結果の報告をするだけの仕事です。
このため、座敷童子を祓わなくても済む簡単な仕事です。
宜しくお願いします。
座敷童子に会えますように...母は祈った。
東京から岩手まで、約6時間掛かった。そして、旅館に着いた。
すると、若女将が出てきて、挨拶した。
宿は、本館、別館、旧館に分かれていた。
若女将は、言った。
座敷童子は、本館に現れますので、今日は、本館をご利用下さい。
別館と旧館は何が違うのですか?
温泉と食堂が別館の先にあります。
旧館は、古いので、使っていません。もう時期、壊します。
その時、受付で口論しているのが聞こえた。
座敷童子なんて、現れなかったぞ!
風邪を引いた、座敷童子が怒ってるんじやないか!?
母と蒼也は、口論しているのを聞きながら、本館を通って、部屋にたどり着いた。
部屋には、日本人形が沢山並んでいた。
こんなに沢山の日本人形を見たことはなかった。
食事まで、四時間もある。
母と蒼也は、一緒に、温泉に向かった。
家族風呂もあるよ?一緒に入る?
母は蒼也をからかった。
うん、入る。
今度は蒼也が母をからかった。
そして、蒼也は、見逃さなかった。別館に行く途中、
旧館から、黒い影がでてくるのを。
蒼也は部屋に戻ると、もう、母は部屋に戻っていた。
いや〜温泉はいいね〜母は言う。
蒼也は、旧館の黒い影について、母に言った。
私も気付いたよ。あとで、若女将に聞いてみようか?母は言った。
食事が部屋に運ばれてきた。
とても美味しそうだった。
食事を終え、布団をひいてもらった。
母と蒼也は布団に入った。誰もいないはずの廊下が音を立てていた。
ミシ、ミシ
さっき、旧館で見かけた黒い影だった。
黒い影についていくと、黒い影は、旧館の行き止まりの扉をすり抜けて入っていった。
母は、若女将を呼び、この部屋は何がいるのかを聞いた。
すると、その部屋で亡くなった人の話をした。
その部屋で亡くなった人も、座敷童子(我が子)に会いたくて、宿泊しました。しかし、
ずっと泊まっていても、座敷童子にはあえませんでした。
そして、逢えるまで、チェックアウトはしない。
全財産もってきているから待ってくれ...と言われ、いつしか、部屋から出てこないようになりました。
部屋を開けると、日本人形を抱いた女性が亡くなってました。
そして、この部屋に結界を張りました。
それ以降、座敷童子ではなく、黒い影があらわれるようになりました。
私達は、陰陽師を呼び、黒い影を扉から封じました。
部屋に残された日記を読んで、知りました。
その女性は、子供を亡くし、座敷童子に会いたくて宿泊されていました。
この旅館には、子供を亡くされた方が沢山きます。どうか、座敷童子を払わないで下さい。
分かりました。
その前に、この部屋の女性を成仏させましょう。もう護符がやぶれかけている。
これだと意味がない。蒼也は、母に確認して、除霊を行う許可を貰った。
お母さん。この筆跡は間違いない。 神代家初代当主のものだ。
母はうなづいた。
天の神、地の神、祖霊の神よ。
我が声を聞き給え。
神代が名において、邪を祓い、穢れを断ち、汝を封ずる。
急急如律令!」
部屋にいた黒い影は、天にのぼっていった。
除霊が済んでから、部屋に戻ると座敷童子が布団の上に座っていた。
そして、座敷童子は、蒼也に言った。
お母さんを天国に送ってくれてありがとう。
うふふ...座敷童子は、片手に人形を持ち遊んで欲しそうだった。
人形遊びは母が行なった。
座敷童子は、とても楽しんでいた。
他の部屋から、観光客がやってきた。
私達もいいですか?
ごゆっくり、どうぞ。母は答えた。
座敷童子だ!本当にいたんだ!
若女将は、大変、喜びました。
座敷童子が一人増えた。
座敷童子は母に聞いた。
「今日、蒼真は、来ないの?」
母は座敷童子に尋ねた。
...あなた誰?
「ユズハ」
第三十六話 了




