第四章 成長 第三十一話 人体模型
第四章 成長 第三十一話 人体模型
今日のミーティング内容は、人体模型だった。
理科室に置かれている人体模型が動くという話だった。
俺の時は理科室なんてなかったし、
人体模型なんてなかったよ。
人体模型は、どんな悪さをするの?蒼也は聞いた。
レイカは答えた。
正直、私も、詳しく知らなかったわ。
インターネットで検索したところ、
何が欲しいの?と尋ねると、内臓をくれ。と迫ってきたり、
背比べしようかと聞かれ、
断ると、首を切られ、応じると身長が10%縮むらしいわ。
理科室なのに、なんて、非科学的なんだろう。
蒼也は呟いた。
何故、討魔庁が動いているの?
PTAが教育委員会に、調査するよう依頼したそうよ。
私の子供が、首を切られたらどうするの!?と説明を求めたらしいわ。
そして教育委員会は、討魔庁に依頼してきて、私が動くことになったの。
まずは、調べたほうがいいね。蒼也は言った。
気を付けてな!蒼真は言った。
レイカと蒼也は、車で、PTAが騒いでいる学校に向った。
校長先生が出迎えてくれた。
わざわざ、すみません。
実は、私も動いているところを見たことがあるのです。校長先生は言った。
理科室は、理科を担当している先生が、扉の開け閉めをしているのですが、その日は、お休みにされていた為、私が施錠することになりました。
扉を開けると、人体模型が、理科室をあるいていました。
人体模型は、私に気づくと、私の方に向かってきたので、慌てて、鍵を掛け、校長室に戻りました。
大の大人が、情けない限りです。
理科室はこちらです。
校長先生に案内され、部屋についた。
人体模型は、理科室の隅に置かれていた。
校長先生は、レイカに、部屋の鍵を渡し、校長室に戻った。
蒼也は、人体模型に話しかけてみた。
人体模型さん、こんばんは。
神代蒼也と申します。
人体模型さんの名前は何て言うのですか?
...聞いても反応が無かった。
単なる人体模型だった。
蒼也は、人体模型の内臓を取り出してみた。
その時、人体模型は言った。
痛ててて...強引に抜かないでくれ。
蒼也は、内臓を元に戻し、人体模型に話しかけた。
名前は?
名前なんてないよ。単なる人体模型だよ。
首を切ったり、背比べをしたりするの?
そんなことしないよ。
私は、この学校に迷い込んだ妖だよ。
乗り移る身体無かったので、人体模型の人形を借りているだけだよ。
...蒼也さんって言ったっけ?
悪いが、私を成仏させてくれないか?
レイカは、蒼也を見つめ、うなづいた。
蒼也は、人体模型の額に、護符を貼り、唱えた。
南無角大師慈恵大師元三大師(なむ つのだいし じえだいし がんざんだいし)」
人体模型の目が淡く光った。
黒い影は蒼也に一礼すると、夜空へ
溶けるように消えていった。
妖が、学校に迷い込み、乗り移る器を探していた結果、人体模型であった。
妖は除霊し、対処済みと、校長先生に言った。
家に帰ると、父は、寝ないで待っていてくれた。
よくやったぞ、蒼也!
蒼也は、その一言が嬉しかった。
レイカは、討魔庁に電話し、説明した。
第三十一話 了




