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第四章 成長 第二十七話 トイレの花子さん

第四章 成長 第二十七話 トイレの花子さん


父、神代蒼真が退院してから、一ヶ月が経った。

まだ、身体は、完治していないため、現場での対魔はしていなかった。


息子の蒼也は、剣道で中学生の部門で優勝はしたが、妖退治の実践経験はなかった。


蒼真とレイカは蒼也を台所に呼んで、話をした。


蒼也には、今後、お母さんのサポートをしてもらいたい。

サポートと言っても、妖と戦う訳では無い。

妖を見つけたり、護符を貼ったりする程度だ。

でも、今後の経験は、必ず、蒼也の財産になると思う。

手伝ってくれるか?


蒼也は、答えた。


勿論だよ、お父さん、お母さん。


ご指導お願いします。


「ありがとう、期待してるぞ」

と父に言われた。


その言葉は、蒼也にとって、とても嬉しかった。


レイカは言った。


早速、仕事の話をするね。


今回の妖は、トイレの花子さん。


都市伝説みたいな話だけど、花子さんを呼んだ小学生が、神隠しみたいに消えてしまったの。


学校はどうしたら良いか分からず、警察に連絡したけど、まだ、見つかってない。


そして、また、別の小学校で、小学生が消えてしまったの。


2件目よ。


捜査の手がかりも見つからないので、

警察庁は、討魔庁に依頼し、私に依頼があったの。


蒼也は、トイレの花子さんについて、どのくらい知ってる?

レイカは聞いた。


学校の校舎3階のトイレで、3番目の扉を3回ノックし、

『花子さんいらっしゃいますか?』と言うと、

個室からかすかな声で「はい」と返事が返ってくる。

そしてその扉を開けると、赤いスカートのおかっぱ頭の女の子がいてトイレに引きずりこまれる」というのは知っている。


今回は、実際に、消えたのは、学校の校舎3階のトイレで、3番目の扉だったらしいわ。


偶然にしたら出来すぎよね。


母からは、今日の夜、神隠しにあった学校に行くと言われた。


蒼也は、リュックに護符を入れ、母と車で、現場に向かった。


学校に着くと、校長室に案内された。


夜分遅くに申し訳ございません。


校長先生とトイレにむかった。


すると、子供が倒れていた。


神隠しにあった小学生だった。


校長先生は、急いで、救急車を呼び、病院に搬送した。


レイカと蒼也も、救急車に乗った。


そして、救急車の中で意識を取り戻した。


私、どうしたんだろう...。


記憶喪失になっているかのようだった。


全然記憶ないの?


うん、花子さんに引きずられたことしか、

記憶に無いと言われた。


レイカは蒼也に聞いた。


これから、どうすれば良いと思う?


もう一度、トイレに戻り、花子さんを呼んでみるべぎだと思う。と蒼也は答えた。


お母さんも、そう思う。と言い、

病院からタクシーを使って、校長先生と学校に戻った。


レイカは、3番目のトイレを三回ノックした。


「はい」と返事がした。


扉は開かなかった。


ロックされていた。レイカは、上を向いた。


いたー。


花子さんだ。


花子さんが、上からレイカを覗いていた


嘘だろう... 蒼也は、言葉を失った。


都市伝説ではなかった。


蒼也は動揺した。


しかし、母は、動揺せずに、花子さんに話しかけた。


「貴女は誰ですか?」


「花子」


答える否や、花子さんは、レイカをトイレに引きずろうとした。


蒼也は、レイカの身体を掴み、引きずられるのを防いだ。


レイカは言った。


蒼也、呪符を花子さんの額に貼って!


蒼也は、リュックから、

急いで、角大師護符の呪符を取り出し、花子さんの額に貼った。


そして、

南無角大師慈恵大師元三大師(なむ つのだいし じえだいし がんざんだいし)」


と唱えながら、


「角大師の加護よ。邪を退け、妖を祓いたまえ」


と言った。


花子さんは叫び声をあげた。


そして、呪符をはじけ返した。


蒼也は、もう一度、額に、呪符を張り、妖払いの言葉を唱えた。


花子さんは、言った。


「寂しくて、遊んでもらいたかっただけなのに・・・」


挿絵(By みてみん)


花子さんは、消えていった。


校長先生は、腰を抜かし、その場に、座り込んだ。


まさか、本当にいるとは思わなかった。


蒼也自身も驚いていた。


自宅に戻り、レイカは、討魔庁に報告した。


別の学校で神隠しになっていた小学生も、発見されたと言われた。


蒼也は父に言った。


護符の力で花子さんを祓うことが出来た。


良い経験になった。


父は言った。


今日は、一例に過ぎない。


日本では、年間10万人の行方不明届けが提出されている。

これからも、同じような事件が起きるかもしれない。

宜しく頼んだよ。


はい、父さん。


蒼也は言い、部屋に戻った。


第二十七話 了

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