第四章 成長 第二十四話 桜の木の下で
第四章 成長 第二十四話 桜の木の下で
神代蒼也と楠木さやかは、いつも、
一緒に下校している。
いよいよ、来週だね!さやかは言う。
林間学校?蒼也は確認する。
林間学校の噂、知ってる?
妖でもいるの?
妖ではなく、キャンプファイアー。
キャンプファイアーで一緒に、
踊った男女は、幸せになれるらしいよ!
俺は、もう、充分、幸せだよ。
わたしも。
二人は笑いだす。
今年は、男子が、キャンプファイアーを
組み立てて、女子は、
カレーを作るらしいよ。
へぇー。楽しみだね。
夜、男子って何やるの?
枕投げとかかな。
恋バナはしないの?
したことないな...盛り上がるの?
盛り上がるよー!
好きな人を順番に言っていくの!
男子はしないね、何故だろう?
あははは...笑いながら、帰宅していると、
妖がいたー。
桜の木の上に乗っていた。
さやかは、きづかないらしい。
妖力の弱い妖なのか?
蒼也は、さやかに、正直に言う。
あの桜の木の上に、女の子がいる。
どんな子?
さやかと同じセーラ服をきているよ。
さやかは、蒼也が素直に話してくれる
ことに安心している。
さやかは、妖に向かって話しかける。
妖さん、こんにちは。
こんなところで、なにしてるの?
人間の子よ、私が見えるのかい?
私は、見えないけど、彼は見えるよ。
あと、私は、声は聞こえる。
皆、楽しそうに帰ってるから、
つい、みとれてしまい、
桜木の上で見ていたのさ。
私にも、そんな時期があってね。
私にも付き合っている男性がいたのだけど、
戦争になってしまい、お互い、別々に
疎開することになってね。
いつも、手紙でやり取りしていたけど、
ある日を境に、
手紙が届かなくなってしまい、
それっきりさ...
毎年、桜が咲く度に待っていた。
今日こそ帰って来るかもしれない。
明日こそ帰って来るかもしれない。
そう思いながら、
何十年も待ち続けたんだよ。
さやかは言う。
やり取りしていた
貴女と男の人の名前と年齢と住所等を教えて。
見つかるか分からないけど調べてみるよ。
さやかは答えた。
さやかは、学校の図書館や市役所等に聞いた。
調査は三ヶ月以上掛かった。
その結果、特攻隊として亡くなっていることが、分かった。
そして、さやかは、桜の木の上向かって
説明した。
また、彼女宛の手紙が、靖國神社に、展示されていることを知り、
その手紙を写真を取り、妖に渡した。
愛する強子へ。
もし私が帰れなくても、
君だけは幸せになってほしい。
桜の咲く頃には帰る約束だったね。
約束を守れなくてごめん。
拓也より
お嬢さん、手紙、ありがとう。
ずっと気になっていたから、
知れて良かったよ。
本当にありがとう。
妖は呪縛霊にはならず、綺麗に天国に、
のぼっていった。
私、蒼也君みたいに力はないけれど、
妖、人間関係なく、優しい人でありたい。
私はいつも、そう思っています。
戦争の無い平和な世の中だけど、
私達は、それを忘れて、不平不満
を言って生きている。
幸せって、人それぞれ違うけど、今を幸せに思えない人は、
ずっと幸せになれないんじゃないかな。
楠木さやかは、いま、幸せだよ!蒼也君!




