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第四章 成長 第十七話 花火大会

第四章 成長 第十七話 花火大会




お父さん、お母さん、明日、花火大会に行ってもいいかな?


誰と?


蒼真とレイカの声がハモった。


「楠木さん。」


母の目が輝いた。


楠木さん、浴衣で来るというのだけれど、僕は、何を着ていけばいいかな?


ジーンズにポロシャツじゃ、楠木さんに、合わないでしょう?


蒼也、甚平持ってなかったけ?蒼真は言う


ちょ...浴衣に甚平はつり合わないでしょう?


これだからあなたは...全く...ブツブツ


まだ、駅前の丸井が空いてるわ、急ぐわよ!


今から、蒼也の浴衣を買いに行くわ


蒼也、お前は、まだ、小学生だ。

六時までには帰ってきなさい。

蒼真は言う。


花火は、七時からなのよ。


何しに行くか分からないでしょう?


花火大会には、私がついていくわ。


そして、レイカは、楠木さんの母親に電話し、

了承得た。


翌日、蒼也とレイカは六時に、

楠木さんの家に着いた。


親同士、挨拶して、花火会場に向かった。


楠木さん、浴衣にあってるね。


蒼也君も似合ってるよ。


ありがとう。


そして、レイカは言った。


お母さんは、ここの休憩所で、

休んでるから、二人で楽しんでおいで!


何かあったら、電話しなさい。


はーい!


楠木さんは、下駄が履き慣れていないようだった。

途中、つまづきそうになった。

蒼也は、急いで、楠木さんの手を握った。


僕の手を握って!


うん、ありがとう!


あっ、射的があるよ。


どれ欲しい?


あの大きな人形が欲しい。


いいよ!待っててね!




三発撃ったが外れた。


最後の一発。


人形がぐらりと揺れた。


倒れた!




「やったー!」




はい、どうぞ、楠木さん!


ありがとうー!


その時、大きな花火があがった。


挿絵(By みてみん)



青、赤、黄色、沢山の色があがった。


蒼也と楠木さんは、幸せだった。


もう、九時だった。


花火も終わり、レイカのもとへ、戻ることにした。


ふたりとも、お互いの気持ちを確かめ合うよう、もう一度、手を握りしめた。


蒼也は、言った。


僕、隠すの下手だから、素直にいうね!


楠木さんは、首を傾げた。


神代蒼也は、楠木さやかさんが好きです!


楠木さんも答えた。私も神代蒼也君が好きです!


二人とも照れていた。


最後の花火の残像が夜空に消えていく。


夏が終わる。


でも蒼也にとって、この夏の思い出は


一生消えないだろう。




第十七話 了

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