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『締めの言葉決め』

 前回の最後に言っていた掛け声的なものを決める話です。

前回の放送から数日後、局内の大会議室である会議がされていた。それは、レギュラーメンバーの番組の締めに使う言葉についての会議だった…


「では、これよりレギュラーメンバーの番組の締めに使う言葉についての会議を始める。」

会議の指揮は、手抜局長が行っていた。そして、開始の言葉を言うと、その後に案がある人に手を挙げるように言った。会議が始まってすぐに答えを要求しても、なかなか出てこないと思うが…まぁ、気にしないでおこう。

「まぁ、こんな事をいきなり聞かれたって、ふざけんなよ…とか思っていそうだから少しだけ案を考えてきたから、それから発表しよう。」

「誰が、考えてきたのです?」

 雄一は聞く。確かに、考えてきた人による。特にこのテレビ局であるとなおさらだ。特に手抜局長が作ってきたのなら心配しかできない。なぜなら、彼は名前通りの手抜さをこういう時に一番発揮するからである。全員はそう思いながら答えを聞いた。

「あぁ、俺だよ?」

 手抜局長はそう答えを返した。あ、終わった。これはまともな案じゃないから軽く聞くとしよう。会議に参加した全員はそう思った。

「じゃあ、言ってくださいよ。」

 赤石さんは軽く力を抜いてそう言った。もうこれは、明らかに彼の意見は期待していないような感じである。それは、みんなが同じのようだ。しかし、この後、彼らは驚愕することとなる。手抜局長は考えてきた案を発表しだした。

「俺が考えてきたのは…『ネクスト・レギュラー』だ。」

 全員が思っていたよりは、少々マシな意見だった。しかし、これはこれで色々と聞きたくなってくる。それを一人の参加者が口にした。

「すみません…ネクスト・レギュラーとは?」

「来週もレギュラーメンバーの番組をお楽しみにを、英語にして略したのだが?」

 手抜局長は由来をすぐに答えた。どうやら、しっかりと考えてきてくれたようだった。それにしても、英語に変換したモノをそう略すとは、見事に簡単な発音の部分だけを取ってくれている。これなら、バカの多い彼らでも全員が発することが可能だろう。

「由来もあったとは。」

 赤石さんは少々驚いていた。すると、ここで手抜局長が皆に言う。

「みんな、意見が無いのなら、これにするか?…個人的には、俺はこれが好きなんだが?」

 よくある委員会での意見が出ないときに使われる最終手段のような感じだ。参加者全員は少々考えた。ほとんど、手抜で作業をしてしまう局長が珍しくまじめに考えてきてくれた。これは、お言葉に甘えさせてもらうか、一応は案を出すかだ。すると、彼らの気持ちを悟ったのか手抜局長がこう言った。

「みんな、無理に考えることはない。…つらかったら、甘えるのも一つの手だぞ?」

「じゃあ、お言葉に甘えて!!」

 彼らの決断は早かった。手抜局長が言い終わってから2秒も経たないうちに全員がそう声を合わせていた。もし、この会議風景を誰かが見ていたら、小学生の委員会のようにしか見えないかもしれないが、それが、うちのテレビ局の特徴である。

 そして、長引くかと思っていた会議は案外あっさりと終わったのだった…


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 会議が終わり、雄一は赤石さんと食事会に行くことになった。食事会といっても、二人だから食事というべきかもしれないが、まぁ、いいだろう。

「いやぁ、案外あっさりだったな。」

「えぇ、局長が考えてきてくれていたとは…」

 いまだに、彼の働きの良さへの驚きが離れないようだった。彼らは、店の中で互いに注文したものが食べながら話していた。彼らを見ていて参考になる上司と部下のような何かを感じるような雰囲気だった。

「まぁ、あの局長も俺達の為に真面目にやってくれているのさ。」

「周りからは、手抜って言われてますけどね…」

「でも、それがあの人の特徴だぜ?」

 少々笑いながらも雄一の言葉に赤石さんはそう返した。そして、彼は追加で枝豆を注文した。ちなみに、これで枝豆は十皿目だ。いくらなんでも、食べすぎではないかと思うが、二人で食べているなら、五皿ずつだから、多くは…-いやっ、多いだろ!!

「あの人から、手抜さを無くしたらどうなるのでしょうね?」

「まぁ、もちろん…仕事が面白くなくなるな。」

 赤石さんは即そう返す。手抜の局長ではあるが、彼があれであるからこのテレビ局の人間は、この仕事が楽しく思えている。ある意味では、テレビ局のムードメイカー的な存在なのかもしれない。そんな意味では、局長だから以前に彼はこのテレビ局にとっては無くてはならない存在なのだ。

「ぶっちゃけ言うと…うちは、大きい利益は出てないが、赤字も出したこったぁないな。ヤバくなれば局長が公的な措置をしてくれているのさ。」

 赤石さんは何気に言った。これは、入局してからずっと手抜局長の近くで仕事をしてきた彼だから言えることなのだ。逆に言えば、彼以外は知りえない事だった。雄一は頷くしか出来なかった。自分にはどう反応していいのかが、彼にはその時は分からなかった。

「まぁ、これからも互いに頑張ろうや。色々と、大変になるだろうが、まぁ…なるようにゃなる。」

「まぁ、そうですね。」

 彼らは、食事を終えて勘定を済ませて店を出た。そして、赤石さんは残業があるらしくテレビ局へと戻り、今日はやることのない雄一は自分の部屋のあるホテルへと戻って行くのだった…










 えー、ちなみに最後の方にあった食事のお勘定は割り勘です。

 さて、掛け声も決まりましたし、次回から『忘れなければ!!』使用していきたいと思います。

 まぁ、会議じゃなかったような感じもしますが、気にしない気にしない。


 でわ、次回作をお楽しみに。


 でわでわ…


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